artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

他人の時間 TIME OF OTHERS

会期:2015/04/11~2015/06/28

東京都現代美術館[東京都]

日本、シンガポール、オーストラリアなどの複数の美術館が共同して企画し、作家のリサーチを踏まえた、まじめな内容になっている。が、ちょっと堅いというか、展覧会だからこその高揚感がもう少し欲しいかもしれない。もちろん、下道基行やブルース・クェックなど、各作家は「他人の時間」というテーマによく応えており、好感はもてる。

2015/06/07(日)(五十嵐太郎)

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《KYODO HOUSE》

[東京都]

竣工:2014年

クリエイター組織「SANDWICH」と、建築家らのユニット「team Low energy」が東京で設計した《KYODO HOUSE》へ。外壁を全面的に覆う木材による斜めの線は、名和晃平の作品「Direction」シリーズをもとにして、立体化したものである。全体の構成は、それぞれの方角を意識しつつ、複数の直方体を組み合わせ、小さいながらも、ダイナミックな内部空間をつくる。また縦方向の抜けは、空気の流れを計算した断面になっていた。アートと建築の融合を目指したプロジェクトである。

2015/06/06(土)(五十嵐太郎)

東北大サイエンスカフェ・スペシャルバージョン「ガウディから学ぶ建築学」

せんだいメディアテーク オープンスクエア[宮城県]

ガウディ×井上雄彦展がせんだいメディアテークに巡回した。金沢21世紀美術館での巡回展に比べて、せんだいのほうが会場は広く、ゆったりとしている。また、smtのチューブとガウディの有機的なデザインが呼応している。曜日の違いもあるが、床のプロジェクションは金沢のほうが、子どもがいっぱい遊んでいた。これに合わせて東北大サイエンスカフェ「ガウディに学ぶ建築」が企画され、筆者がレクチャーを行なった。ガウディとさまざまな建築を比較したほか、最初に日本でブームを起した70年代末のガウディ展=ポストモダン的装飾への関心、2003年のガウディ展=コンピュータによるかたちの分析と位置づけた。とすれば、今回のガウディ展は、日本の漫画の地位が上がったことを示すかもしれない。

2015/06/05(金)(五十嵐太郎)

横浜スタジアム

[神奈川県]

横浜スタジアムにて、横浜DeNAベイスターズ vs 福岡ソフトバンクの試合を観戦する。久しぶりに野球を見たが、ホーム側がぼろ負けの試合なので盛り上がらない。このスタジアムは都市の中に存在するため、隣にある役所のほか、まわりのビル群が客席から近接してよく見える。また、遠いみなとみらいも高層建築なので、一緒に視界に入り、街に囲まれた雰囲気が興味深い。

2015/06/04(木)(五十嵐太郎)

夏果て幸せの果て

会期:2015/06/03~2015/06/09

東京芸術劇場 シアターイースト[東京都]

東京芸術劇場にて、大森靖子×根本宗子「夏果て幸せの果て」を観劇した。コンビニのエアコン修理で邪念を払うバイトたち/彼氏と連絡がつかず、バイトを欠席し、妄想にふける女性=大森/根本の部屋が、上下で同時進行する物語だ。独特の空間演出だが、笑いありで面白い。野外のフェスで大森の歌を聴いたときより、このサイズの室内でアコースティック・ギターだと、もっと強く歌が響く。

2015/06/04(木)(五十嵐太郎)