artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
イキウメ「聖地X」
会期:2015/05/10~2015/05/31
シアタートラム[東京都]
世田谷のシアタートラムにて、イキウメの「聖地X」を観劇する。前に見た原発の寓意とも解釈しうるようなイキウメの作品「獣の柱」がとても面白かったので、再び足を運んだが、「聖地X」も人間の記憶/情報/思いがそのまま物質化する場というSF的な設定と超越的な不思議さを共有している。しかも、この作品は日常的な笑いの要素がとても多く、文句なしによかった。特に山田輝夫役の安井順平の演技がツボだった。
2015/05/10(日)(五十嵐太郎)
BankARTスクール2015 横浜建築家列伝vol.1 五十嵐太郎+磯達雄 ゲスト飯田善彦
BankART Studio NYK[神奈川県]
磯達雄と担当するBankARTスクール「横浜建築家列伝」の講座で、飯田善彦を招き、お話しをうかがう。横浜国大の出身だが、学生時代はそれほど街とのかかわりはなく、むしろ事務所を横浜に移した頃からの横浜のプロジェクトを紹介する。確かに、横浜市がデザイン性のある都市計画を行ない、建築家に仕事を積極的に依頼していた時期があった。最近は飯田事務所をカフェやイベントで開放し、まちとつなぐ試みも行なう。
2015/05/08(金)(五十嵐太郎)
大分県立美術館コレクション展
会期:2015/04/24~2015/06/02
大分県立美術館[大分県]
大分県立美術館のコレクション展は、宇治山哲平をはじめとして企画展と連動する地元の作家たちを紹介する。企画展の冒頭において、ヘリット・トーマス・リートフェルトが入るなら、ここに大分が生んだ世界的な建築家、磯崎新も少し入れてよかったのではないだろうか。大分出身で、彼よりも国際的な知名度が高いアーティストはいない。ちなみに、美術館を設計した坂茂は磯崎アトリエにも所属していたことがある。
2015/05/07(木)(五十嵐太郎)
モダン百花繚乱「大分世界美術館」──大分が世界に出会う、世界が大分に驚く「傑作名品200選」
会期:2015/04/24~2015/07/20
大分県立美術館[大分県]
オープニング展は、モダン百花繚乱「大分世界美術館」である。子どもを大量に招待しているらしく、にぎやかな館内だった。キュレーター総出で、それぞれの得意分野に焦点をあてつつ、近代からの歴史を振り返りながら、大分の作家、作品とつなぐ企画である。近現代美術以外に、工芸、デザイン、日本画も幅広く含むが、ただ全体としてちょっと散漫な印象も受けた。
2015/05/07(木)(五十嵐太郎)
大分県立美術館
大分県立美術館[大分県]
四月末オープンした、坂茂の設計による大分県立美術館へ。日建設計が手がけた向かいの大きなガラス張り建築と呼応しながら、都市に対して透明な開放的な空間をつくる。前面のガラスが開く状態を見ることはできなかったが、坂らしい明快な構成、積極的な木の使用、そして紙管を使うインテリアだ。展示室はオーソドックスな矩形になっており、建築は現代的な明るさをもたらす。レストランもよい。
2015/05/07(木)(五十嵐太郎)