artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

ふじのくに⇄せかい演劇祭 公演「聖★腹話術学園」

会期:2015/05/05~2015/05/06

静岡芸術劇場[静岡県]

ふじのくにせかい演劇祭へ。ベルギーのポワン・ゼロによる「聖★腹話術学園」は、ホドロフスキー原作の人形劇である。悪態をつく等身大に近いグロテスクな人形の生々しさもさることながら、俳優たちとの操る/操られる関係が揺らぎ、さらに演劇の場そのものにツッコミを入れるメタ感覚のコメディが面白い。また録音した音楽ではなく、ギターとドラムの生音効果もよい。

2015/05/05(火)(五十嵐太郎)

芹沢銈介の家

[静岡県]

竣工:1987年

ちょうど芹沢銈介の家が公開されていたので、初めて見学した。宮城県の登米市にあった板倉の建築を移築して、東京・蒲田の自邸として使っていたもので、さらに静岡に移築して現在の場所に落ち着く。改装におけるデザインの操作は少ない。登呂の博物館、濃い石水館の隣にあると、余計に清々しい建築だと感じる。芹沢のデザインによる鉄製の椅子もカッコいい。

2015/05/05(火)(五十嵐太郎)

芹沢銈介美術館本館(石水館)

芹沢けい介美術館[静岡県]

竣工:1981年

三度目の芹沢銈介美術館へ。白井晟一(白井晟一研究所)が設計した石水館である。プランはコの字型の一筆書きになっており、意外に機能的な動線だが、およそ普通の展示室らしくない、ユニークな空間という印象は変わらない。過剰に素材感のあるエクステリアと、傾斜した天井やアーチが続くインテリアをそれぞれ別個にデザインし、あえて「建築的」な統合がないと言うべきか。

2015/05/05(火)(五十嵐太郎)

静岡市立登呂博物館

静岡市立登呂博物館[静岡県]

新しい伝統になるかもしれない、静岡のサンバカーニバルのオープニングを見てから、静岡市立登呂博物館へ。隣の遺跡と一体化し、復元や模型のほか、発掘当時の様子を伝えるさまざまな資料があり、興味深い展示だ。が、この建物のデザインはひどい。屋外の登呂遺跡と住宅地の混ざる不思議な雰囲気が台無しではないか。

2015/05/05(火)(五十嵐太郎)

大原美術館展 名画への旅

会期:2015/04/18~2015/05/31

静岡市美術館[静岡県]

静岡市美術館の大原美術館展へ。コレクションの紹介だけでなく、美術館の歴史を振り返る内容が興味深い。事業家の大原孫三郎が、画家の児島虎次郎のパトロンとなって、同時代のヨーロッパ絵画の収集が始まり、1930年に日本初の西洋美術館が誕生した経緯から、近年の現代アートへのサポートまでをたどる。昨年、久しぶりに倉敷の大原美術館を訪れたが、誇るべきコレクションと街並みだったことを思い出す。

2015/05/05(火)(五十嵐太郎)

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