artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

光嶋裕介新作展─幻想都市風景

会期:2014/09/03~2014/09/20

ときの忘れもの[東京都]

ときの忘れもののギャラリーにて、若手建築家、光嶋裕介の新作展「幻想都市風景」展へ。実在する建築も微妙に混じりながら描かれるドローイングによる、無限に連続しそうな建築的な世界が展開する。ここでは2度目の個展ということで、一品もの以外にシルクスクリーンの大型作品にも挑戦し、その様々なバリエーションを制作していた。

2014/09/05(金)(五十嵐太郎)

磯崎新12×5=60

会期:2014/08/31~2015/01/12

ワタリウム美術館[東京都]

磯崎は長いキャリアにおいてさまざまな顔をもつが、これは建築外の活動に焦点をあてたユニークな企画である。美術、音楽、映像、写真などの諸ジャンルとのコラボレーションの数々が、充実した資料で紹介される。今の日本で跋扈している反知性主義とは、真逆の世界だろう。以前、実際に見学させてもらった軽井沢の書斎も、吹抜けの空間において実寸で再現され、内部に入ることもできる。

2014/09/05(金)(五十嵐太郎)

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山本二三展

会期:2014/08/04~2014/09/23

静岡市美術館[静岡県]

山本二三は『未来少年コナン』、『天空の城ラピュタ』、『じゃりん子チエ』、『時をかける少女』など、日本アニメの有名な作品の美術を手がけた第一人者だけあって、また夏休みの終わりということで、会場は混雑していた。彼は建築を学んでおり、背景画が興味深い。なかでも、『もののけ姫』のシシ神の森は入魂の力作だった。それにしても、絵画ならば、1/1なので、大きい作品を描きたければ、そのまま大きいキャンバスを使えばよいが、アニメの場合、映画館のスクリーンで大きく伸ばしても、絵として耐えられるよう小さなセル画に細部を緻密に描く手技に感心させられる。

2014/08/30(土)(五十嵐太郎)

駒沢公園と東京オリンピックの施設

[東京都]

オリンピックのことを書くので、駒沢公園と代々木の施設を再訪する。同日に続けてまわると、やはり後者の造形力がきわだつ。丹下健三は田中角栄に直談判し、予算を増額してもらったのは今ではできない荒技だろうが、それだけのすぐれた結果をもたらした。一方、モニュメント的な建築に対し、都市計画的に代々木の敷地が十分に広くないこともよくわかる。







上記2点 丹下健三《国立代々木競技場》



芦原義信《駒沢公園オリンピック記念塔》

2014/08/29(金)(五十嵐太郎)

ゴー・ビトゥイーンズ こどもを通して見る世界

会期:2014/05/31~2014/08/31

森美術館[東京都]

展示の位置が少し低く、夏休みだから子供向けの企画と思いきや、内容は決してそうでもなく、むしろ子供をテーマにした美術展だった。社会派、政治的な作品もあり、ナッファール&サッロームのパレスチナの子供の現状とその夢をテーマにした映像「さあ、月へ」が良かった。





会場風景

2014/08/23(土)(五十嵐太郎)