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建築に関するレビュー/プレビュー

トレ・トーリ駅周辺

[イタリア]

郊外のトレ・トーリ駅へ。駅に何ひとつお店がないくらい、真新しいシティ・ライフの開発エリアだが、磯崎新による高層ビルは完成していた。ただし、他の高層棟はまだ建設中である。駅の周辺にはザハ・ハディドやダニエル・リベスキンドによる強い個性の集合住宅が建っている。いずれも建築家の名前が、施設の名称についているところに感心させられた。日本ではひどいバッシングを招くから、ありえないだろう。

写真:上=磯崎新による高層ビル 左下=ザハ・ハディドによる集合住宅 右下=ダニエル・リベスキンドによる集合住宅

2016/09/09(金)(五十嵐太郎)

Triennale di Milano トリエンナーレ・ディ・ミラノ

会期:2016/04/02~2016/09/12

パラッツォ・ダルテ、トリエンナーレ会場、蒸気工場、ハンガー・ビコッカ、工科大学キャンパス、IULM大学キャンパス、ミラノ文化博物館ほか[イタリア、ミラノ]

パラッツオ・アルテにて、ミラノ・トリエンナーレを見る。メイン会場では、原研哉×ブランジの「100の動詞」による日本のデザイン紹介、充実したリサーチによるイタリアデザインと女性、11の居住空間モデルの展示、アートとしての建築パヴィリオン群などが主なプログラムだった。なお、洗練されたデザインによる韓国の工芸紹介のコーナーに比べて、隣の富山を紹介するコーナーはいかにも日本的な展示手法で、世界に届かない感じがしたのは残念である。

写真:左=上から、《パラッツォ・ダルテ》、「100の動詞」、イタリアデザインと女性 右上2枚=アートとしての建築パヴィリオン群、右下=11の居住空間モデル

2016/09/09(金)(五十嵐太郎)

ピエロ・ポルタルッピ《ヴィラ・ネッキ・カンピーリオ》ほか

[イタリア、ミラノ]

《ヴィラ・ネッキ・カンピーリオ》へ。これはピエロ・ポルタルッピが設計した1935年の超豪邸で(予算は無制限の依頼だったらしい)、あちこちにアート作品を展示する。旧朝香宮邸のような感じだ。室内は船のイメージを投影しており、丸窓なども散見される。そして引き戸が多い。モダンと古典と新技術を融合した住宅である。一方、近くの《パラッツォ・コルソ・ヴェネツィア》は、やはりポルタルッピが設計したもので、ややマニエリスムが入った、完全に古典テイストの1930年代建築である。

写真:左・右上=《ヴィラ・ネッキ・カンピーリオ》 右下=《パラッツォ・コルソ・ヴェネツィア》

2016/09/09(金)(五十嵐太郎)

ボスキ・ディ・ステファノ邸美術館

[イタリア、ミラノ]

ボスキ・ディ・ステファノ邸美術館へ。イタリア近代美術の個人コレクターが暮らした集合住宅のワンフロアを美術館として開放したものだ。そのコレクションから1900年代美術館にも寄贈されたように、内容はそのミニ版のようだ。どの部屋もぎっしり作品に囲まれ、フォンタナの部屋はかなりの点数でさまざまなタイプの作品を楽しめる。

写真:左・右上=《ボスキ・ディ・ステファノ邸美術館》 右下=フォンタナの部屋

2016/09/09(金)(五十嵐太郎)

スカラ座

[イタリア、ミラノ]

スカラ座へ。マリオ・ボッタが増築した部分は、外観からボリュームだけを確認する。従来の観劇空間は、特に変わっていないようだ。「魔笛」を観劇したのだが、バルコニー席の2列目は想像以上に舞台が見えない。下手側の手前しか視界に入らない、とんでもない見切り席である。そもそも現代的な見やすさよりも格式の場としてつくられたから仕方ないのだが、逆に音を集中して聴くことになった。

2016/09/08(木)(五十嵐太郎)