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建築に関するレビュー/プレビュー

《シアトルアジア美術館》

[アメリカ合衆国、ワシントン]

竣工:1933年

「socially engaged art」をテーマとしたシンポジウムに出席するために、久しぶりにシアトルを訪れた。到着初日は、《シアトルアジア美術館》へ。よく保存されたアールデコの時代の建築で、もともとはこちらがシアトル美術館の本館だったらしい。高台にあって万博のときにつくられたスペース・ニードルが下の方に見える。企画展では、韓国の現代美術、常設は中国の古代から現代美術を紹介していた。
写真:上・中=《シアトルアジア美術館》、下:韓国の現代美術展

2015/11/11(水)(五十嵐太郎)

東北大学工学部建築・社会環境学科設計課題「水戸芸術館から拡張する建築」のための現地見学会

会期:2015/11/08

水戸芸術館現代美術センター[茨城県]

今年は3年の設計課題を水戸芸術館の南側の街区に、個人美術館と商業施設をつくりながら、国道までつなぐテーマを設定し、学生と共に現地見学を行なう。もっとも、このエリアでホールを建てる計画が本当にあるらしい。学芸員の井関悠にバックヤードを案内してもらう。水戸芸術館が、いわゆるコレクションを収蔵する美術館ではなく、アートセンターであること、そして美術/演劇/音楽の三部門の同居が特徴だと改めて気づく。

2015/11/08(日)(五十嵐太郎)

3.11以後の建築

会期:2015/11/07~2016/01/31

水戸芸術館現代美術センター[茨城県]

水戸芸術館の「3.11以後の建築」展へ。「戦後日本住宅伝説」展は、最初から四館の巡回を予定しながら、企画を進めていたが、これは金沢の展覧会がスタートした後、水戸への巡回が決定するという異例の経緯だった。したがって、面積の関係から、内容を少しコンパクトにすべく、金沢に固有の内容を削るなど、わかりやすく再構成した。また磯崎新事務所で水戸芸の設計を担当した青木淳の展示は、十日町の拠点を空間として再現し、パワーアップしている。

2015/11/08(日)(五十嵐太郎)

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公共建築から考えるアーバンデザインの実験「大宮東口プロジェクト2015」

会期:2015/10/30~2015/11/06

渋谷ヒカリエ8/COURT[東京都]

東洋大学「大宮東口プロジェクト2015」@ヒカリエ。異なる設定の容積率、学校のあり/なしの変化要素を絡ませて、藤村龍至のおなじみの手法により、複数のチームの学生がスタディのプログラムを走らせる。展示では、やはり一連の過程の模型を時系列に置く。おそらく、これ自体が設計手法と展示の見せ方の発明であり、今後、幾らでもバリエーションを増やせるだろう。

2015/11/04(水)(五十嵐太郎)

アジアの日常から:変容する世界での可能性を求めて

会期:2015/10/17~2015/12/12

TOTOギャラリー・間[東京都]

気がつくと、もう建築専門ギャラリーの30周年記念であり、今回はアジアをテーマとしている。ただ、3階の展示は作品は面白いが、ちょっとわかりにくい構成と見せ方だった。一方、庭に設置されたヴォ・チョン・ギアによる竹の構築は、1/1の空間を出現させている。そして4階の大西麻貴+百田有希の巨大模型による経験の空間のスタディ、チャトポン・チュエンルディーモルの模型群を収納するデザイン屋台は、明快にメッセージを伝えており、気持ちいい。
写真:左上=チャオ・ヤン、左下=ヴォ・チョン・ギア、右上=大西麻貴+百田有希、右下=チャトポン・チュエンルディーモル

2015/11/04(水)(五十嵐太郎)

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