artscapeレビュー

建築に関するレビュー/プレビュー

ブルーノ・タウト《ブリッツ・ジードルンク》

[ドイツ、ベルリン]

竣工:1925年

郊外の集合住宅へ。ブルーノ・タウトが手がけた馬蹄形のジードルングは思っていた以上に大きく、日本の感覚から見ると、空間にかなりゆとりがある。また、世界遺産になったおかげか、メンテナンスが行き届き、あまり古さを感じさせない。日本の集合住宅は半世紀もすれば、ほとんど壊されてきたが、ここはきちんと使われ続けている。

2015/09/21(月)(五十嵐太郎)

塩田千春のスタジオ

[ドイツ、ベルリン]

塩田千春のスタジオを訪問した。旧東側の壁に近いエリアで、監視塔を改装した建築である。ベルリンは、すぐに忘却する日本と違い、どこに行っても戦争や政治の痕跡が空間に蓄積されている。今年は残念ながらヴェネツィアビエンナーレ国際美術展に行く時間をとれなさそうだが、彼女が日本館の設営での苦労や成し遂げたこと、活動のいろいろをうかがう。

2015/09/21(月)(五十嵐太郎)

ミース・ファン・デル・ローエ《新ナショナルギャラリー》

[ドイツ、ベルリン]

チッパーフィールドが改修に関わるということで、現在閉鎖中のミース・ファン・デル・ローエによる《新ナショナルギャラリー》へ。ただ、工事の囲いはないので、外からでも全面ガラス越しに内部がまる見えである。天井のグリッドはいずれにしろ影響されないが、まったく何も展示物がない空っぽの状態こそ、この建築にふさわしいかもしれない。

2015/09/21(月)(五十嵐太郎)

《ボロス・コレクション》

[ドイツ、ベルリン]

ベルリンに戻り、《ボロス・コレクション》へ。大戦時につくられた防空壕を5層のギャラリーに転用したものである。粗末な建物かと思いきや、コンクリートの要塞の外観は、新古典主義的なパラッツォ風で、正方形プランで集中性が強い。ユニークな建築を見に訪れたが、アリシャ・クワデ、Sailstorfer、サラセノなど、現代美術の展示もいい。

写真:上から、《ボロス・コレクション》外観、同内観1、同内観2、サラセノ展示風景。

2015/09/20(日)(五十嵐太郎)

ザハ・ハディッド《ファエノ科学センター》

[ドイツ、ヴォルフスブルク]

竣工:2005年

ヴォルフスブルクへ。駅前広場に面するザハ・ハディドによる《ファエノ科学センター》は、持ち上げた流動的なヴォリュームを支える脚部の隙間から各方向へのヴィスタを確保している。ランドスケープ・デザインとも一体化した建築だった。内部は巨大なほぼワンルームだが、科学系の装置だと空間の演出は難しそう。展示自体はかなり面白いが。

2015/09/20(日)(五十嵐太郎)