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建築に関するレビュー/プレビュー

ボーデ博物館

[ドイツ、ベルリン]

竣工:1904年

大改造中のペルガモン博物館を横目に見て、ボーデ博物館へ。ここも巨大である。中世からバロック、彫刻、貨幣などを展示する。彫刻や絵画が建築と密接に関わるので、中世のパートが面白い。また、企画展は、敗戦時に失われた、あるいは破損した収蔵品がテーマだった。消えた作品を複写やレプリカで表現したり、修復の技法を紹介する。

写真:左上=改造中のペルガモン博物館、その他=ボーデ博物館

2015/09/24(木)(五十嵐太郎)

DDRミュージアム

[ドイツ、ベルリン]

旧東ドイツの暮らしを紹介するDDRミュージアムへ。大上段に構えず、なんでもない日用品が大量に展示されている。が、それこそが記憶のトリガーとなり、おそらく高齢者はある種のノスタルジーを感じる一方、修学旅行なのか、若い学生がいっぱいで、平成生まれが昭和時代を見るようなまなざしだった。

2015/09/24(木)(五十嵐太郎)

イーストサイド・ギャラリー

[ドイツ、ベルリン]

25年前にベルリンを訪れたときは、分断が終わった直後だったので、まだ壁が多く残っていた記憶があるが、いまはほとんどない。ただし、壁を残して画家の長大なキャンバスとしたイーストサイドギャラリーがある。ただの落書きのような作品が多いが、紛れもない歴史の証言者だ。こうしてベルリンは都市の記憶を空間に蓄積している。

2015/09/24(木)(五十嵐太郎)

マイスターハウス群

[ドイツ、デッサウ]

徒歩圏に教員が暮らしたマイスターハウス群がある。失われていたグロピウスの家は、コンクリートでヴォリュームを再現していたが、当然ながら生活感はなく、現代建築のような空間になっていた。ほかはクレー、カンディンスキーら、アトリエ付き住居を2つ噛み合わせたユニットであり、これもそれぞれに少しずつ違う室内の色づかいが興味深い。

写真:マイスターハウス群。下は再現されたグロピウスの家

2015/09/23(水)(五十嵐太郎)

《バウハウス》

[ドイツ、デッサウ]

デッサウへ。この小さな都市から世界にバウハウスのデザインの理念や教育システムが広がったことを考えると感慨深い。一時は破損して、開口部が壁で埋められた時期もあるが、やはり被膜としてのガラス、階段室が相互に見える透明感が清々しい。室内は意外にカラフルだが、デ・ステイルの面としての色づかいとも違い、むしろ空間の効果を高めるような配色だった。校舎内の常設はバウハウスの概略、企画展では、ハンネス・マイヤーの協同への信条、教育、建築を紹介していた。

2015/09/23(水)(五十嵐太郎)