artscapeレビュー

建築に関するレビュー/プレビュー

《KYODO HOUSE》

[東京都]

竣工:2014年

クリエイター組織「SANDWICH」と、建築家らのユニット「team Low energy」が東京で設計した《KYODO HOUSE》へ。外壁を全面的に覆う木材による斜めの線は、名和晃平の作品「Direction」シリーズをもとにして、立体化したものである。全体の構成は、それぞれの方角を意識しつつ、複数の直方体を組み合わせ、小さいながらも、ダイナミックな内部空間をつくる。また縦方向の抜けは、空気の流れを計算した断面になっていた。アートと建築の融合を目指したプロジェクトである。

2015/06/06(土)(五十嵐太郎)

東北大サイエンスカフェ・スペシャルバージョン「ガウディから学ぶ建築学」

せんだいメディアテーク オープンスクエア[宮城県]

ガウディ×井上雄彦展がせんだいメディアテークに巡回した。金沢21世紀美術館での巡回展に比べて、せんだいのほうが会場は広く、ゆったりとしている。また、smtのチューブとガウディの有機的なデザインが呼応している。曜日の違いもあるが、床のプロジェクションは金沢のほうが、子どもがいっぱい遊んでいた。これに合わせて東北大サイエンスカフェ「ガウディに学ぶ建築」が企画され、筆者がレクチャーを行なった。ガウディとさまざまな建築を比較したほか、最初に日本でブームを起した70年代末のガウディ展=ポストモダン的装飾への関心、2003年のガウディ展=コンピュータによるかたちの分析と位置づけた。とすれば、今回のガウディ展は、日本の漫画の地位が上がったことを示すかもしれない。

2015/06/05(金)(五十嵐太郎)

横浜スタジアム

[神奈川県]

横浜スタジアムにて、横浜DeNAベイスターズ vs 福岡ソフトバンクの試合を観戦する。久しぶりに野球を見たが、ホーム側がぼろ負けの試合なので盛り上がらない。このスタジアムは都市の中に存在するため、隣にある役所のほか、まわりのビル群が客席から近接してよく見える。また、遠いみなとみらいも高層建築なので、一緒に視界に入り、街に囲まれた雰囲気が興味深い。

2015/06/04(木)(五十嵐太郎)

野球と鉄道──幻の球場と思い出の球団

会期:2015/04/07~2015/07/20

旧新橋停車場 鉄道歴史展示室[東京都]

旧新橋停車場の鉄道歴史展示室の「野球と鉄道──幻の球場と思い出の球団」展を見る。思いがけず、武蔵野グリーンパーク、藤井寺球場、大阪スタヂアム、西宮球場など、20世紀前半の東京や関西の球場のドローイング、模型、写真などの資料がいろいろ集まっており、これを調べていくと、面白い建築のテーマになりそうだった。

2015/05/26(火)(五十嵐太郎)

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藤本壮介 展 未来の未来

会期:2015/04/17~2015/06/13

TOTOギャラリー・間[東京都]

ギャラリー間の藤本壮介「未来の未来」展へ。会場では所狭しと、大量の模型が等価に並ぶ。見所はいわゆる「建築」プロジェクトの模型ではなく、紙をくしゃくしゃと丸めたような、日用品を変形させたモノが数多く紛れていることだろう。美術家が日常からアートを発見するように、彼が何気ないものから建築を創造する様子がうかがえて興味深い。最初の小さい模型、筆者が展示を企画したキリンプラザの展示K-HOUSEのようだ。

2015/05/24(日)(五十嵐太郎)

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