artscapeレビュー
建築に関するレビュー/プレビュー
海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)
呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)
《世界平和記念聖堂》
[広島県]
竣工:1954年
久しぶりに村野藤吾の《世界平和記念聖堂》へ。戦後最初の話題のコンペをやったものの、結局、審査員長の村野藤吾が設計してしまったもので、その経緯は問題あるが、完成したものはいい。60年を過ぎて、さらに凄みを増す建築だ。世界各地で見学した近代以降の教会と比べても、決して遜色がない。あえて難を言えば、祭壇の壁画が微妙かもしれない。
2015/07/27(月)(五十嵐太郎)
国際交流基金巡回展「3.11──東日本大震災の直後、建築家はどう対応したか」展
2012年3月から3年間、世界各地を巡回した「3.11──東日本大震災の直後、建築家はどう対応したか」展のセットの一部が、東北大学に到着した。報告書によれば、全部で20カ国、37都市で展覧会を開催しているが、模型やパネルなど、思っていたよりも傷みが少ない。なお、片平の仮設校舎で最初の展示がスタートし、青葉山の新校舎に戻ってきたわけで感慨深い。しかも、東北大学の復興プロセスも展示に組み込まれている。
2015/07/24(金)(五十嵐太郎)
2015年第56回BCS賞
審査に関わった第56回BCS賞の結果が発表された。この建築賞は、設計以外にも、施工や事業者、発注主の企画、運営、管理を総合的に評価することが大きな特長である。ちょうど今年は新国立競技場の問題が起き、その意義が大きく注目された年と言える。表面的なデザインだけではなく、そもそも仕事の枠組を決めるよい施主とはどうあるべきか、また建築家と事業者の創造的な関係も問われているからだ。
2015/07/23(木)(五十嵐太郎)