artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
中村ケンゴ「自分以外」

会期:2010/05/11~2010/06/05
メグミオギタギャラリー[東京都]
手塚治虫のマンガの一部をつなぎ合わせた線描画や、部屋の間取りを色分けしたモンドリアン風抽象画(?)など、これまでのシリーズの延長上の新作展。これらを日本画の素材と技法で描くという意外性が、じつは意外でもなんでもなく、きわめて自然な発想であることに気づく。あわせて「スピーチバルーンミラー(フキダシ型の鏡)」やオリジナルTシャツも販売。
2010/05/21(金)(村田真)
久保晶太 絵本原画展2010「あたしのサンドイッチ」

会期:2010/05/18~2010/05/24
バートックギャラリー[東京都]
ふつう絵本の原画展など見に行かないが、久保くんは中学のときに同じ美術部に所属していた同窓生なので、10数年ぶりに会いに行ったのだ。久保くんと話すと、いかに自分が薄汚れた中年に成り下がったか落ち込んでしまうほど、中学生のままの純真な気持ちを保ち続けている稀有な人で(だいたい純真な中学生自体いまや絶滅危惧種だ)、それが絵本にも全開してるから胸が締めつけられそう。その絵本が出たのがぼくの『アートのみかた』とほぼ同時期だったので、お互いサインを入れて交換。『あたしのサンドイッチ』は教育画劇から出ています。
2010/05/21(金)(村田真)
岩井優/坂野充学「Spontaneous Order」
会期:2010/04/30~2010/06/05
タクロウソメヤコンテンポラリーアート[東京都]
映像中心の2人展。ギャラリーに入ってすぐの壁に、コップ、野菜、豆腐、パン、鯉などを次々に洗剤で洗う様子をガラスの底からとらえた岩井の映像が映し出されている。広島で発表するつもりだったのにキャンセルされたいわくつきの作品。鯉が問題になったらしい。生物の虐待がどーのというより、広島はカープ(鯉)の本拠地だからね。
2010/05/21(金)(村田真)
石田徹也全集──出版記念及び五周忌展

会期:2010/05/17~2010/05/29
ギャラリーQ[東京都]
「生きろ」のフレーズが脳内を駆け巡ってるうちに到着。『石田徹也全作品集』の出版に合わせて企画された回顧展。没後5年、わかりやすい内容と折からのアートバブルも重なって急速に人気を得た物故作家だが、前にも書いたかもしれないけど、はたして生きていて、まだ描き続けていたらこれほど注目を集めただろうか。全作品集など夢のまた夢だったに違いない。
2010/05/20(木)(村田真)
鈴木貴博「生きろ」

会期:2010/05/17~2010/05/29
ギャラリー現[東京都]
もう10年以上「生きろ」で生きてるアーティストが、世界中で行なった「生きろ」のパフォーマンスやワークショップの成果を展示している。「生きろ」の文字のなかに花の絵が混じっているが、これも「生」という字を花に見立てたもの。毎年3万人以上も自殺する国では、「殺すな」より切実なメッセージかもしれない。
2010/05/20(木)(村田真)


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