artscapeレビュー

美術に関するレビュー/プレビュー

依田洋一朗

会期:2010/05/10~2010/06/05

南天子画廊[東京都]

ニューヨーク在住の画家。劇場やホテルを舞台にした演劇的シーンばかりを描いている。モチーフも色彩も独特のものがあり、絵としてはとてもヘタなんだけど、きわめて味わい深いヘタ。

2010/05/20(木)(村田真)

The Globalization 笹川治子×BARBARA DARLINg

会期:2010/05/18~2010/05/21

東京藝術大学上野キャンパス大学会館2F展示室[東京都]

なんかアヤシゲなので行ってみた。とくにDARLINgがクサイ。3つの飼育ケースにマウスが1匹ずつ入っていて、かたわらでは「3つの隔絶された世界に架橋することでコミュニケーションを可能にする、これこそグローバリゼーション云々」と男が熱弁をふるう映像を流してる。ほかにもチープな素材・手法で現代の情報・管理社会を非力化・脱力化するおバカな作品がいっぱい。なぜか9.11のテロを思い出した。こいつあしばらく目が離せないぞ。

2010/05/20(木)(村田真)

アニッシュ・カプーア展

会期:2010/04/27~2010/06/19

SCAI THE BATHHOUSE[東京都]

日本で出会ったという漆を使った作品がメイン。いちばん感心したのは、正面にあった巨大な凹面鏡のような作品。表面には細かい鏡がびっしり貼りつけられていて、近づくと周囲の鏡から自分の顔が写り始め、ある1点ですべての鏡に顔が写り、凹面鏡全体が自分の顔でおおわれてしまうのだ。もっと近づくと、どんどん顔は中心に寄っていく。これはおもしろい。なんども近づいたり離れたりした。

2010/05/20(木)(村田真)

プレビュー:have a place─むこうの方─

会期:2010/06/19~2010/07/04

KAVCギャラリー[兵庫県]

場と作品の交感を通じて、サイトスペシフィックな世界を作り上げる若手女性作家5人──川口淳子、河村るみ、柴田さやか、島なぎさ、菅本祐子──による展覧会。いずれも2009年に京都の元立誠小学校で行なわれた展覧会「humid」の出品メンバーだ。同展での繊細かつ新鮮な展示が脳裏に焼き付いているので、場を神戸に移した本展でもやってくれるのではないかと期待している。出品者5人のうち4人が名古屋で活動する作家というのも関西では珍しく、それも注目ポイントのひとつだ。

2010/05/20(木)(小吹隆文)

プレビュー:パラモデルの 世界はプラモデル

会期:2010/06/26~2010/08/01

西宮市大谷記念美術館[兵庫県]

玩具のプラレールをどこまでも増殖させていくインスタレーションで知られるパラモデルの個展。彼らが地元関西の美術館で個展を行うのは初めてではなかろうか。会場の西宮市大谷記念美術館には美しい庭園や茶室もあるので、彼らが場をどう使いこなすかがとても楽しみだ。受けて立つ美術館側も、藤本由紀夫による一日だけの展覧会シリーズを10年間続けてきた実績があり、大概の要求にはたじろがないはずだ。アーティストと美術館がうまく噛み合って、キャラ立ちした個展になることを期待する。

2010/05/20(木)(小吹隆文)