artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
プレビュー:奈良・町家の芸術祭 はならぁと2015
会期:2015/10/10~2015/11/03
《はならぁと ぷらす》五條新町、生駒宝山寺参道 《はならぁと こあ》宇陀松山、八木札の辻、今井町[奈良県]
古都・奈良の古い町家が残る地区を舞台に、毎年秋に行われているアートイベント。前回からアートディレクターに就任した山中俊広は、展示をキュレーターによる企画展を主体とする《こあ》と、一般参加作家の作品展《ぷらす》の2系統に分離するなど、数々の変更を実施した。2年目の今年は、その真価が問われる重要な回となる。また今年は、《こあ》のキュレーターを、美術、音楽、演劇、デザインという異なる4ジャンルの専門家に任せており、例年以上に多彩な展開が期待される。《こあ》の3エリアを結ぶシャトルバスを毎日2往復運行し、交通の便が悪い地域へのサービスを拡充するのも嬉しいところだ。出展作家数は、先にスタートする《ぷらす》が、生駒宝山寺参道エリア13組+五條新町エリア6組、後発の《こあ》が、宇陀松山エリア22組(キュレーター2名)+八木札ノ辻エリア23組(キュレーター1名)+今井町エリア20組(キュレーター1名)である。
各会期:
《はならぁと ぷらす》2015/10/10~2015/10/18
《はならぁと こあ》2015/10/24~2015/11/03
2015/09/20(日)(小吹隆文)
プレビュー:鉄道芸術祭 vol.5 ホンマタカシプロデュース もうひとつの電車~alternative train~
会期:2015/10/24~2015/12/26
アートエリアB1[大阪府]
京阪電車「なにわ橋駅」構内という独特のロケーションを生かし、鉄道と芸術をテーマにした「鉄道芸術祭」を毎年開催しているアートエリアB1。今年は写真家のホンマタカシをプロデューサーに迎え、駅、ホーム、車両などの鉄道環境や、京阪電車沿線を独自の視点でリサーチした作品展示を行う。出品作家はホンマの他、黒田益朗(グラフィックデザイナー)、小山友也(アーティスト)、NAZE(アーティスト)、PUGMENT(ファッションブランド)、蓮沼執太(音楽家)、マティアス・ヴェルムカ&ミーシャ・ラインカウフ(アーティスト)の計7組。ホンマは6月から断続的に大阪に滞在し、京阪沿線でカメラオブスキュラの手法で作品を制作、それらのうち光善寺駅のカメラオブスキュラを限定公開する他、小津安二郎へのオマージュ、リュミエール兄弟の作品上映などを行う。他のゲストアーティストたちは、写真、模型、映像、ドローイング、音響作品を出品する予定だ。
2015/09/20(日)(小吹隆文)
Alicja Kwade ─ Monolog aus dem 11ten Stock
会期:2015/09/19~2015/11/22
Haus am Waldsee[ドイツ、ベルリン]
2012年も訪れた一軒家をアートスペースに変えたHaus am Waldseeで、アリシャ・クワデの個展を開催していた。同日に別の二カ所で彼女の作品に遭遇したが、ベルリンの売れっ子アーティストである。アリシャ・クワデの展覧会は、ぐるっと丸めた扉に始まり、家のあちこちを横断する金管楽器風のオブジェ、鏡自身がその鏡に映る曲がった鏡、鏡像関係のオブジェ群、左右対称の配置など、会場が住宅の各部屋ならではのインスタレーションを全面的に展開する。それにしても、入場制限があるほど、長い行列が発生していた。
2015/09/18(金)(五十嵐太郎)
Transient Material Zusammengestellt von Harald Theiss
会期:2015/09/19~2015/11/08
Haus am L tzowplatz[ドイツ、ベルリン]
奥のグループ展では、あいちトリエンナーレ2013に出品したフロリアン・スロタワも参加していた。コンクリートでつくった複数の電球を吊る、Michael Sailstorferのクルマに乗せてもらい、別のオープニングへ。
2015/09/18(金)(五十嵐太郎)
アンドレアス・コッチ展
会期:2015/09/11~2015/11/15
Haus am L tzowplatz[ドイツ、ベルリン]
Haus am L tzowplatzのオープニングへ。Andreas Kochの個展と、奥でTransient Material Zusammengestellt von Harald Theiss展が始まっていた。前者にはミースの新国立美の巨大模型をそのままひっくり返した作品があり、ミニマルな彫刻に見える。また、Kochによる自分の部屋を上から撮影し、その写真を床に敷くインスタレーションは、まわりの壁に窓からの風景を効果的に配し、等高線を描いた地形に見立てたぐしゃぐしゃの布団などを置き、空間や建築への介入が興味深い。
2015/09/18(金)(五十嵐太郎)