artscapeレビュー

映像に関するレビュー/プレビュー

ドント・ブリーズ

サム・ライミ製作の映画『ドント・ブリーズ』。荒廃したデトロイトを背景に、とにかく無駄がないのがよい。映画として映える3人の悪者と盲目の物語は、『暗くなるまで待って』でも有名な設定だが、部屋にいるのが美人女優ではなく、戦争帰りのイカれた猛者老人ゆえに、家に閉じ込められた立場逆転スリラーになる。

2017/01/11(水)(五十嵐太郎)

アピチャッポン・ウィーラセタクン 亡霊たち

会期:2016/11/22~2017/01/29

東京都写真美術館[東京都]

地下をブラックボックスにしつつ映像と空間を体験させる映像インスタレーションだった。そのイメージは美しく、クオリティは高いけど、説明がないと、作品の意味に到達するのは難しい。

2017/01/06(金)(五十嵐太郎)

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帰ってきたヒトラー

映画館で見逃した『帰ってきたヒトラー』。現代に蘇ったヒトラーがメディアと結託し、モノマネ芸人としてウケていく。最初は笑えるが、現在の外人排斥の風潮とシンクロし、途中から怖くなる。ヒトラーを殺しても、彼はわれわれのなかにいる。敵をつくり、恐怖を煽る革命的な政治家に注意しろというメッセージは、いままさに重要だろう。

2017/01/02(月)(五十嵐太郎)

マダム・フローレンス! 夢見るふたり

台湾から帰る飛行機で『マダム・フローレンス』を見る。プロットだけなら金の力でセレブの婦人が、伝統の劇場で下手な歌を聴かせるひどい(実)話だが、巧いとは別の、音を楽しむとは何かを考えさせられる作品だった。そして、本当は歌えるメリル・ストリープが絶妙な音痴を演じる技量に感心させられる。ヒュー・グラントの演技もさすがだ。

2017/01/02(月)(五十嵐太郎)

バイオハザード:ザ・ファイナル

同シリーズもおつきあいで、なんとなくすべて劇場で見てきた。もっとも、回を重ねるごとに生まれる物語の深みはまったく期待しておらず、ゲーム的なアクションだけを楽しみにしていたのに、夜や地下の戦闘が続くために、画面が暗く、しかも動きが速いために、何が起きているのかが、あまりにわかりにくい。ゾンビの大群に追われながら路上を走る乗り物で戦いが起きる前半のマッドマックス的シーンはよいのだが。さらに視界が暗くなる3Dメガネでの鑑賞は絶対にオススメしない。

2016/12/23(金)(五十嵐太郎)