2023年12月01日号
次回12月15日更新予定

キュレーターズノート

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その地域で生きる身体の、それぞれの尺度──生きる私が表すことは。/糸島芸農2021

[2021年11月01日号(正路佐知子)]

今秋九州ではいくつも現代美術の企画が行なわれている。すべてを見て回ることは難しいが、そのなかで訪れることができた二つの展覧会を紹介したい。両展ともにこの世の中を覆う息苦しさについて考え、一般論ではなく自分の足元を見つめるところから問いを立ち...

語りの複数性──わからなさとともに在ること

[2021年11月01日号(田中みゆき)]

展覧会「語りの複数性」は、固有の感覚や経験に裏打ちされた表現や、他者の経験する現実を自らの身体をもって受け取り、表現する試みを扱う展覧会である。落語をとらえた写真や、音から想起されたドローイングなど、各作品には何らかの空白があり、それゆえに...

場所と作品のありえ方──京都芸術センターでの展示から

[2021年10月15日号(谷竜一​)]

京都芸術センターは、美術館ではない。 本稿では、当センターの建物の構造と当館の特性についてあらためて確認し、これをふまえていくつかの展示を振り返ってみたい。個々の展示の評価とは別に「アートセンター」と呼ばれる当センターの、ある側面が見えてく...

生きるまなざし──木村忠太の初期作品《昭和20年8月15日のコンポジション》

[2021年10月15日号(橘美貴)]

9月中旬、香川県に対するまん延防止等重点措置、いわゆるまん防が延長された。日々の新規感染者数と政治家たちの動向を注視するなか、いよいよ解除されるだろうかと現場の期待は高まったものの、四国では香川県のみが継続して対象となり、それを受けて県内の...

コロナ禍でも「さわる」展示を──「ケレ ヤン、ヌカㇻ ヤン、ヌ ヤン さわる、みる、きく、国立アイヌ民族博物館」を開催して

[2021年10月01日号(立石信一)]

「ケレ ヤン、ヌカ ラ ヤン、ヌ ヤン さわる、みる、きく、国立アイヌ民族博物館」展は、2021年8月21日から9月12日までの会期を予定にスタートした。コロナ禍の現在にあって、あえて「さわる」ことをテーマとした展示を行なうことに少なからぬ...

鳥取のアーティスト・イン・レジデンス・プログラムについて

[2021年10月01日号(赤井あずみ)]

近年の鳥取アートシーンの特徴を挙げるとすれば、欠かすことができないのがアーティスト・イン・レジデンス(以下、AIR)の活動である。2014年、2015年に開催された 「鳥取藝住祭」 という名称の芸術祭について耳にしたことのある方もいるかもし...

コラボレーション(Collaboration)とコレクティブ(Collective)のC

[2021年09月15日号(レオナルド・バルトロメウス)]

新型コロナウイルス感染症が日本で猛威を振るい始める少し前、ひとりのキュレーターがインドネシアから山口へと移り住んだ。インドネシアのジャカルタを拠点に活動するアーティスト・コレクティブ、 ルアンルパ の一員としても活動していたレオナルド・バル...

泡と消えた被災地の夢

[2021年09月15日号(山内宏泰)]

復興事業の象徴とも言える気仙沼大島大橋、三陸自動車道、気仙沼湾横断橋の開通。そして東京2020オリンピックの開催、気仙沼大島を舞台とする連ドラの放映。すべてが気仙沼の新たな船出にとって強い追い風となるはずだった。しかし……地域住民がイメージ...

そこに住む人たち自身が街を変えていくこと──自治区 金石大野アートプロジェクト 「かないわ楽座」

[2021年09月01日号(野中祐美子)]

7月の1カ月間、金沢21世紀美術館主催事業として金沢の港まち、金石地域で「 かないわ楽座 」というプロジェクトを実施した。金石の商店街で、空き店舗を転用して人々が集い話すための「場を開く」プロジェクトである。これは、商店街を活性化するためで...

「ルール?展」のルールは鑑賞者を解放するのか。それとも?

[2021年08月01日号(田中みゆき)]

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、マスクの着用やソーシャルディスタンスなど、「新しい生活様式」の名目で生活に新しいルールが導入された一方で、飲食店や劇場・美術館などの文化施設に対する営業自粛要請や移動規制など、基準や有効性が曖昧なルールも多...

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