artscapeレビュー
100 gggBooks 100 Graphic Designers
2011年11月1日号
会期:2011/10/05~2011/10/29
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)[東京都]
1986年にギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)が開設されて25周年。そして内外のデザイナーの作品を紹介するggg Booksの100冊目が刊行された。今回の展覧会では、これを記念してggg Booksシリーズに登場した100人のデザイナーの作品1点ずつ、計100点を展示する。今回の展覧会と合わせて、ggg Booksの電子書籍版も刊行され、会場ではiPadで閲覧できるようになっていた。
gggはグラフィック・デザイン専門のギャラリーとして、日本のデザイナーばかりではなく、世界の潮流を紹介する役目もはたし、発表された作品の多くは、ggg Booksシリーズに収録されてきた。他方でグラフィック・デザインの領域は、近年拡大している。紙メディアとWebメディアとの境目はもはや存在しない。モーション・グラフィックもあり、パッケージなどの立体もある。個展が企画の中心であるgggの展覧会においても、従来のグラフィックにとどまらない仕事が紹介されることが多くなってきた。ところが、紙媒体の書籍では、こうした多様なメディアの作品をアーカイブしていくことは困難であった。しかし、電子書籍には新たな可能性がある。今回刊行された電子書籍版のggg Booksは刊行済み書籍を電子化したものであるが(検索機能など、電子版ならではの機能もある)、gggの運営を支援する大日本印刷は日本の電子書籍普及をリードする立場でもあり、今後の展開には大いに期待したい。
本展は、dddギャラリー(大阪)に巡回する(2011年11月9日~2011年12月21日。前期と後期で展示替えあり)。[新川徳彦]
2011/10/27(木)(SYNK)