artscapeレビュー

注目作家紹介プログラム チャンネル4 薄白色の余韻 小林且典 展

2013年12月01日号

会期:2013/11/02~2013/12/01

兵庫県立美術館 ギャラリー棟1階 アトリエ1[兵庫県]

蝋型鋳造による瓶や壺などの小彫刻と、それらを配置した静謐な写真作品で知られる小林且典。筆者が彼の作品と出合ったのは約7年前のこと。その後何度か個展に出かけたが、近年は不運にも機会を逸していた。それだけに、本展には大きな期待を抱いていたのだ。出品作品は、ブロンズ、木彫、写真、インスタレーションだった。特徴は、ブロンズより木彫が多いことと、水干顔料で白以外の彩色を施した作品があったことだ。これは、小林が2010年にフィンランドで滞在制作をした経験から生まれたものであろう。また、床に展示された木彫のインスタレーション、部屋の隅の水回り(会場は制作アトリエなので、ホワイトキューブではない)を利用したブロンズと木彫のインスタレーションも斬新だった。幸運にもレクチャーで本人と再会でき、イタリア留学時代の貴重な写真や、自作のレンズを見せてもらったのも収穫だった。

2013/11/02(土)(小吹隆文)

2013年12月01日号の
artscapeレビュー