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ゲンビ:New era for creations──現代美術懇談会の軌跡1952-1957

2013年12月01日号

会期:2013/10/19~2013/11/24

芦屋市立美術博物館[兵庫県]

「今回同じエスプリをもって新しい造型を志す人々が、各所属団体を考えずに自由な個人の立場からお互いに忌憚なく語り合う会をつくる事になりました。ついては毎月十三日午後二時より五時まで朝日新聞貴賓室で懇談会を開くことに決定致しました」。これは、1952年、大阪で発足した研究会「現代美術懇談会(ゲンビ)」の設立趣意書である。吉原治良(二科会)須田剋太(国画会)、山崎隆夫(同左)、中村真(モダンアート協会)、植木茂(同左)、田中健三(自由美術協会)、6名の連名。当時の関西における美術界のリーダーたち(40代の作家)は、絵画・彫刻・工芸・書・いけばなといった芸術のジャンルを超えて、議論を交わし、そのゼミのような討論を以て若手の育成も図った。ここから、展覧会「ゲンビ展」も行なわれるようになった。興味深いのは、1954年、同展から派生した「モダンアート・フェア」が開催され、そこにインダストリアル・デザインが含まれていたことだ。モダンアートの隆盛がデザイン製品に与えた影響について考慮され、優れたデザイン──いわゆる西洋諸国で戦後に推進された「グッド・デザイン」運動と同等の動きである──が展示された。これらの諸活動を通じて、「新しい造型」を探求した作家たちは、ジャンルの垣根を超えて「造型の根本」は同じである、という認識を共有したのであろう。本展からは、戦後の関西芸術界の熱い息吹を感じ取ることができる。[竹内有子]

2013/11/17(日)(SYNK)

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