artscapeレビュー
大宮エリー展──7年のOL時代と、7年間の今、
2013年12月01日号
会期:2013/11/05~2013/12/20
dddギャラリー[大阪府]
小さな展示スペースは絵画や写真、インスタレーション作品に、映像作品の写真パネルですっかり埋めつくされていた。映画監督、CMやPVディレクター、演出家、脚本家、作家として活躍する大宮エリー(1975- )の展覧会のことだ。どこをどう見れば大宮という作家や作品のことがわかるのか戸惑いもあったが、これも、またこれも彼女の作品なんだという新しい発見のほうが大きく、楽しい時間だった。大宮は広告代理店勤務を経て独立し、映画『海でのはなし。』で監督デビューをして以来、さまざまな分野で活躍している、いわゆるマルチクリエイター。「仕事の依頼があるたびに、どうして私に、と、びくびくしながらも嬉しくなって勇気をだして引き受けていたら、こんなに色々な仕事にトライする人になってしまいました。(…中略…)(仕事の)共通点は何か。個人的な感情を掘り下げるということ。幸せはなんなのか、ということ。観た人がハッピーになるかどうかということ」だと大宮はいう。本展企画者の言う通り、彼女の仕事は「コミュニケーションの形をつくる」という意味で広義のデザインであると言えるかもしれない。[金相美]
2013/11/08(金)(SYNK)