artscapeレビュー

プレビュー:小杉武久 音楽のピクニック

2017年12月01日号

会期:2017/12/09~2018/02/12

芦屋市立美術博物館[兵庫県]

1950年代から活動を続けてきた音楽家、小杉武久。1960年に即興演奏集団「グループ・音楽」を結成、1960年代には「フルクサス」と関わり、その後も「タージ・マハル旅行団」を結成(1969年)、「マース・カニングハム舞踊団」の専属音楽家に就任(1977年)など、一貫して音や音楽の概念を拡張する仕事を続けてきた。また彼は、1970年代後半から音をテーマにした「オーディオ・ビジュアル作品」を手掛けてきたことでも知られている。本展では彼の長きにわたる活動を、記録写真、ポスター、プログラムなどの資料と、音をテーマにした作品約300点で俯瞰的に振り返る。また、高橋悠治(作曲家・ピアニスト)と川崎弘二(電子音楽研究家)のトークショー、小杉と藤本由紀夫(アーティスト)の対談、上映会など関連イベントも充実しており、20世紀後半の前衛芸術運動の一端を知る絶好の機会といえる。

小杉武久「横浜トリエンナーレ」演奏風景(2008)

2017/11/24(金)(小吹隆文)

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