artscapeレビュー

カタログ&ブックス | 2023年10月15日号[近刊編]

2023年10月15日号

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。

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中園孔二 ソウルメイト

著者:中園孔二
発行:カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
発行日:2023年8月10日
サイズ:B4判、80ページ

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催された企画展「中園孔二 ソウルメイト」の記録を収めた日英バイリンガル仕様のカタログ。作家が最期の時を過ごした香川県において約200点の作品を展示した過去最大規模の個展をふりかえる。







未来社会と「意味」の境界 記号創発システム論/ネオ・サイバネティクス/プラグマティズム

編著:谷口忠大、河島茂生、井上明人
発行:勁草書房
発行日:2023年8月30日
サイズ:A5判、176ページ

AI・ロボットと人間が共存する未来社会における「意味」の意味とは何か。大規模言語モデルを超えて新たな意味の学理を構想する。







はじまりはクロマニョン 1

著者:内田れいな
発行:ART DIVER
発行日:2023年8月31日
サイズ:B5判変形、198ページ

舞台はおよそ2万年前、描いた絵を恋人に見せたい──その純粋な心から、クロマニヨン人の少女レイナは、画家を目指すのだが……。
絵画の起源とされる「洞くつ」壁画を題材に、クロマニヨンの主人公レイナが様々な困難にぶつかりながらも、画家として成長していく愛と成長の物語。記念すべき第1巻です。







メディア論の冒険者たち

編者:伊藤守
発行:東京大学出版会
発行日:2023年9月1日
サイズ:A5判、400ページ

メディアについての議論百出諸説紛紛。ベンヤミン、マクルーハン、ボードリヤール、エーコ、マクロビー、キットラー、マノヴィッチ、ラマール、ホイ……。彼ら/彼女らがメディアに関して紡いだ思考の核心を浮かび上がらせる。第一線で活躍するメディア研究者が執筆するメディア論を知り学ぶための最強テキスト。







「第11回ヒロシマ賞受賞記念 アルフレド・ジャー展」カタログ

編集:洲濱元子、清水和音
発行:広島市現代美術館
発行日:2023年9月14日
サイズ:A4判変形、184ページ

第11回ヒロシマ賞の受賞者アルフレド・ジャーの受賞記念展(広島市現代美術館)を記録したカタログ。作家にとって日本国内で初の本格的な個展となる本展は、その代表作から新作までを総覧するものとなった。







新版 卒業設計コンセプトメイキング リサーチ・デザイン・プレゼンテーション

著者:松本裕
発行:学芸出版社
発行日:2023年9月20日
サイズ:四六判、256ページ

卒業設計は、学生自らがテーマを探し出し、論理的思考プロセスを積み重ね、オリジナリティある提案をすることが必要となる。実際の学生の作品をもとにした対話を軸に解説。新版では、課題設定、フィールドワーク/リサーチ、建築的・空間的なアイデア、プレゼンの4つに再編成。より本質的なコアな部分に絞り込む内容とした。







アートベース・リサーチの可能性 制作・研究・教育をつなぐ

編著:小松佳代子
発行:勁草書房
発行日:2023年9月20日
サイズ:A5判、384ページ

アートをベースにするとはいかなることか。最新の研究動向をとらえ、美術研究者・芸術家がアートベース・リサーチを多角的に分析。







建築思想図鑑

編著:松田達、横手義洋、林要次、川勝真一
イラスト:寺田晶子
発行:学芸出版社
発行日:2023年9月25日
サイズ:A5判、256ページ

建築思想を理解すれば、つくる建築、語る言葉の説得力が増す。いま知っておくべき建築思想63項目の基本を、本質を押さえたイラストと、気鋭の執筆陣による解説で理解できる入門書。難しそうな言葉でも、まずはイラストを眺めて一歩を踏み出し、建築の奥深さに触れてみよう!時代の流れや項目同士の結びつきも見えてくる。







K-PUNK 夢想のメソッド──本・映画・ドラマ

著者:マーク・フィッシャー
翻訳:坂本麻里子+髙橋勇人
発行:Pヴァイン
発行日:2023年9月26日
サイズ:四六判、416ページ

ポスト左翼がブレグジットに直面した際に、旧来の左翼の惰性を非難し「右傾化」することが「大人」だとされたときも、マーク・フィッシャーはその惰性をどうしたら脱却できるのかと向き合い、安易な「右傾化」に同調することもなかった。
アカデミックになることなく、つねにポピュラー・ミュージックや映画、大衆文学を出発点としながら大衆迎合主義に陥ることも回避しつづけてきた知性の、彼の人気を決定づけた原点にしてすべて──それが彼の伝説のブログ『K-PUNK』だった。







坂本龍一のメディア・パフォーマンス

編著:松井茂、川崎弘二
発行:フィルムアート社
発行日:2023年9月26日
サイズ:四六版、284ページ

坂本龍一が「パフォーマンス元年」と称する「1984年」に注目し、生涯にわたって「メディア」を革新し続けた芸術家としての足跡をあらためて紐解く。
メディア戦略としての出版社「本本堂」、書籍というメディウムそのものによるパフォーマンス、世界最大級のテレビ「ジャンボトロン」を用いたメディア・イベント「TV WAR」……
多彩なプラットフォームで発表された作品群、その時々に遺された発言、そして、坂本龍一へのインタビューをもとに、「マス・メディアの中の芸術家像」を「メディア・パフォーマンス」というキー・タームから解き明かす。







戒厳令下の新宿 菊地成孔のコロナ日記 2020.6-2023.1

著者:菊地成孔
発行:草思社
発行日:2023年9月28日
サイズ:四六判、384ページ

神田沙也加、瀬川昌久、上島竜兵各氏への追悼、村上春樹氏との邂逅、コロナ感染記……。音楽業界を壊滅的状況に陥れたコロナ禍、その抑鬱と祝祭の二年半の記録。







写真よさようなら 普及版

著者:森山大道
発行:月曜社
発行日:2023年9月29日
サイズ:B5判、316ページ

写真集史上の永遠の問題作にしてロングセラー。1972年に写真評論社より刊行された『写真よさようなら』を底本とし、2019年に月曜社より刊行された『森山大道写真集成(3) 写真よさようなら』における構成をもとに、装丁を新たにし判型をコンパクトにした普及版。中平卓馬との対談全文掲載。収録写真145点。「写真というものを、果ての果てまで連れて行って無化したかった」(森山大道)というそのラディカリズムは、刊行後50年以上を経てなお、その衝撃力を失っていない。







絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化

著者:加治屋健司
発行:東京大学出版会
発行日:2023年9月29日
サイズ:A5判、368ページ

ヘレン・フランケンサーラー、モーリス・ルイス、ケネス・ノーランド、ジュールズ・オリツキー、フランク・ステラら、20世紀半ばのアメリカで隆盛したカラーフィールド絵画の代表的画家5名を取り上げ、同時代の展覧会評や批評、美術動向に関する言説を丹念に読み解き、20世紀アメリカ文化との豊かな関係性を明らかにする。







マルクス解体 プロメテウスの夢とその先

著者:斎藤幸平
翻訳:竹田真登、持田大志、高橋侑生
発行:講談社
発行日:2023年10月26日
サイズ:四六判、432ページ

いまや多くの問題を引き起こしている資本主義への処方箋として、斎藤幸平はマルクスという古典からこれからの社会に必要な理論を提示してきた。本書は、マルクスの物質代謝論、エコロジー論から、プロメテウス主義の批判、未来の希望を託す脱成長コミュニズム論までを精緻に語るこれまでの研究の集大成であり、「自由」や「豊かさ」をめぐり21世紀の基盤となる新たな議論を提起する書である。







2023/10/13(金)(artscape編集部)

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