artscapeレビュー

now here, nowhere

2009年04月01日号

会期:2009/03/04~2009/03/22

京都芸術センター[大阪府]

現実の断片をモチーフとしながら、現実とは異なる層を垣間見せたり、作品を見る眼差しそのものを問う作品が紹介された。出品作家は、苅谷昌江、中居真理、馬場晋作、藤井俊治、前田朋子、水木塁の6名。いずれの作品もレベルが高く見応えがあったが、とりわけ印象深かったのは水木塁の《Ripe of color ♯Narcussus》。紙焼き写真を漂白剤の入った液体に入れ、印画紙に定着していたイメージが剥離する瞬間をとらえた写真作品で、イメージがそれのみで存在する刹那の美を見事に捉えていた。

2009/03/08(日)(小吹隆文)

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