artscapeレビュー
平成20年度第32回東京五美術大学連合卒業・修了制作展
2009年04月01日号
会期:2009/02/19~2009/03/01
国立新美術館[東京都]
毎年恒例の五美大展。昨年は女子美の圧勝だったけれど、今年はムサビと造形大が拮抗していたように思う。ムサビの場合、ミッキーの彫像のおしりに火をつけた大成乗治の映像作品や、千円札で消費したモノとその紙幣番号を控えたドキュメントを一挙に公開した阿部浩之、切り干し大根の工場などを撮影した仲山姉妹、あるいは美大生による社会性を欠いた美術活動を「グルーミング・アート」と名づけてその実態を克明に分析した小さな雑誌を発表した田村陽菜などが際立っていた。造形大では、おさげ姿の自分の顔などをモチーフにした穴村崇による不気味なCG作品、「半馬博物館」なる架空のミュージアムの所蔵品を公開した太田祐司などが突出していた。
2009/02/25(水)(福住廉)