artscapeレビュー
三嶽伊紗 微分する眼
2010年04月01日号
会期:2010/03/06~2010/03/27
ギャラリーヤマグチクンストバウ[大阪府]
展示室の壁際に白いカーテンをかけ、向う側で灯る光がうっすらと透けて見える《カーテンの向こう/白いカーテン》、13年前に描いた絵画の表層を削り取り、同じ色で改めて塗り直した《アカイ絵》、雪の日に定点観測した映像を何層も重ねて投影しした《雪1》《雪2》などの作品を出品。いずれも、日々の生活で得られる微細な感興や、忘れていた記憶がうっすら甦って来る時の何とも言い難い感覚を造形化したらこうなるのか、という感じの作品。言語化される以前の感覚を捉える鋭敏な感覚はこの人ならではのものだ。
2010/03/12(金)(小吹隆文)