artscapeレビュー
村田真のレビュー/プレビュー
MONO-HA by ANZAI
会期:2014/01/17~2014/02/22
ZEIT-FOTO SALON[東京都]
李禹煥、関根伸夫、菅木志雄、小清水漸、吉田克朗、榎倉康二、高山登、原口典之ら「もの派」とその周辺の作家たちの70年代の作品や、イヴェント(イベントでもパフォーマンスでもない)を記録した写真の展示。すべてモノクロームなのは、カラーフィルムを買うお金がなかったからではなく(それもあるかもしれないが)、もの派だからだ。貴重なアーカイブであると同時に、安齊さんの初期作品としても高く評価したい。タイトルが英語表記なのは伊達ではなく、海外での評価の高まりを受けたものだろう。
2014/02/20(木)(村田真)
岡﨑乾二郎 展「Hand painted Ceramic Tile/Painting」
会期:2014/01/27~2014/02/22
南天子画廊[東京都]
正方形のセラミックタイルに青系の絵具でペイントした作品が、床に40枚×2、25枚×2で計130枚。壁にも数十枚ある。トロトロッと筆を振るっていて、同じパターンはないようだ。こうしたタイル画はタブローでもなければ壁画でもモザイク画でもなく、それらのちょうど中間に位置している。ほかに、極小のカンヴァスに水平または垂直のストライプをざっくりと描いた絵画もあって、こちらは額縁が変わっていて、上下または左右にしか付けてなかったり、一辺の半分しかなかったりする。絵画の成り立ちを考えてるなあ。
2014/02/20(木)(村田真)
彩戸惠理香 展「In*e*t」
会期:2014/02/17~2014/02/22
ヴァニラ画廊[東京都]
ポルノ雑誌を切り貼りして透明樹脂で固め、表面をひび割れさせたコラージュや、蛾か蝶に犯されてるような女性ヌード画などの展示。作者は1991年生まれ、芸術高校卒。母が歌舞伎町でクラブを経営していたため、水商売を身近に見て育ったという。そういう「物語」を聞くとなんとなくわかった気になるではないか。
2014/02/20(木)(村田真)
川上勉 展「Sleeping beauty」
会期:2014/02/17~2014/03/01
ヴァニラ画廊[東京都]
頭からヘビの生えたメデューサを中心とする全身像、半身像、首から上の像など10点ほど。世紀末の画家ジャン・デルヴィルの描いたオルフェウスを思わせる首像もある。モチーフは西洋的だが、黒く艶のない乾漆の表面といい、彫りの浅い無表情な顔といい、阿修羅などの仏像も彷彿させる。
2014/02/20(木)(村田真)
第8回シセイドウアートエッグ 今井俊介展
会期:2014/02/07~2014/03/02
資生堂ギャラリー[東京都]
ストライプの旗がはためいているようにも見える絵。色彩は蛍光ピンクをはじめ原色が多く、フラットに塗られているもののイリュージョンが感じられる。つまり具象ともいえるし抽象ともいえる。もっといえばポップでもあるけどミニマルでもありコンセプチュアルでもあるという、ある意味モダニズムを支えてきた美術の基礎概念を無効にする絵画かもしれない。
2014/02/20(木)(村田真)