artscapeレビュー
村田真のレビュー/プレビュー
シュウゾウ・アヅチ・ガリバー「no fear」
会期:2010/03/05~2010/04/11
NADiff A/P/A/R/T[東京都]
壁一面に縦横5センチ程度の図形をびっしり描いてる。と思ったら、同じ図形もたくさんあるのでプリントだった。なにがおもしろいんだろう、と思ったら、床にダーマトグラフがころがり、いくつかの図形が赤い線で囲われている。囲い方にゲーム性や規則性があるわけでもなく、恣意的だ。参加型、というより「Do it yourself」な作品?
2010/03/12(金)(村田真)
森村泰昌「なにものかへのレクイエム──戦場の頂上の芸術」
会期:2010/03/11~2010/05/09
東京都写真美術館[東京都]
ひとつおもしろかったのは、舌を出すアインシュタインに扮した写真の横で見せていた“メイキング”ともいうべき映像。森村が舌をベロッと出し、そのまま数十秒間ポーズし続ける。おそらくアインシュタインはペロッと舌を出した瞬間を撮られてしまったのだろうが、その1枚の「決定的瞬間」を再現するため、長時間静止する森村を動画でとらえるというアイロニー。次第に引きつってくる顔に森村の素がのぞく。
2010/03/12(金)(村田真)
第2回コレド・ウィメンズアートスタイル
会期:2010/03/05~2010/03/14
日本橋コレド[東京都]
コレドの吹き抜け空間を中心に、7人の女性アーティストが作品を展示している。人通りの多い公共空間だけにあまり思いきった冒険はできず、大半は別の場所でつくった作品を運び込んだもの。ネズミやウサギなどの小動物をグロテスクなまでに巨大化させた篠原奈美子の彫刻や、階段とカーテンをレリーフ状に彫ったトリッキーなちばふみ枝の作品などは、力作ながら、その場所に置かれる必然性に乏しい。そんななかで秘かに毒を盛っていたのが、口紅に見せかけた薬莢(その逆?)や、花柄レースの鉄の彫刻などを出品した佐々木かなえだ。こうしたうわべと中身のギャップを慎ましやかに表現する作品群は、ファッションビルという場所でこそ効力を発揮する。
2010/03/11(水)(村田真)
東京画廊+BTAPカタログ・アーカイブ展
会期:2010/02/25~2010/03/13
東京画廊[東京都]
開設60年を迎えた東京画廊。杉浦康平デザインのカタログが壁にズラッと並び、机に写真が展示されている。岡本太郎、白髪一雄、高松次郎、関根伸夫らなつかしいカタログ、なつかしい顔ぶれ。机では画廊のおにーさんが資料整理している。
2010/03/11(水)(村田真)
TETSUSON2010
会期:2010/03/04~2010/03/07
BankARTスタジオNYK[東京都]
全国の美術系学生有志による合同卒業制作展。今年は国内25校のほか、韓国からも12校が参加し、国際化しつつある。というと聞こえがいいが、出品作品は絵画が少なく、建築、プロダクト、ファッションなど多様化し、なにか拡散しつつある印象も否めない。どうせならこのまま中国、インド、欧米と拡張し続ければ、また別の意義が生まれてくるかも。
2010/03/06(土)(村田真)