artscapeレビュー
村田真のレビュー/プレビュー
コレド・ウィメンズ・アート・スタイル
会期:2009.2.16~2009.3.8
コレド日本橋[東京都]
商業空間のなかでアートを見る楽しさと見せる難しさを同時に感じさせる展覧会。出品は若手女性アーティスト8人。金子奈央は油絵をそのまま展示しても埋没してしまうと考えたのか、それともキュレーター上田雄三の入れ知恵か、自作を巨大な布にプリントして吹き抜け空間に吊るした。これはよくめだつが、かえって広告のように見えてしまい埋没しかねない。もうひとり油絵の福島沙由美は、自作をショーウィンドーのなかに閉じ込めた。これならオリジナルを見てもらえるが、はたしてどこまでじっくり鑑賞してもらえるか。同様のことはほかの立体のアーティストにもいえる。こうしたオープンな場所で見せる場合、美術館やギャラリーとは違って安全性や通行人の反応も考えなければならい。その結果、作品のもっていた魔性や攻撃性がそがれたり、ショーケースに押し込まれて商品みたいにディスプレイされかねない。そんな危険性から唯一免れていた(かもしれない)のが奥村昂子のインスタレーションだ。中空に吊るされた白い糸のかたまりは幻の城のイメージだが、このような空間でゆらゆら揺れるさまは正直いってみすぼらしい。まるで幽霊かクモの巣みたいな……と連想してハタと気づく。そうか、実はこの作品、きれいに制御された商業ビルへの痛烈なアイロニーかもしれないぞ。本人がどこまで意図したか知らないが。
2009/02/16(月)(村田真)
プロジェクトN36 原良介
会期:2009.1.17~2009.3.22
東京オペラシティアートギャラリー[東京都]
少女が野原で遊んでいたり、いろんな色の輪が宙に浮いていたりする絵画。なのだが、見ているうちに描かれているもの(モチーフ)より、描いた行為の軌跡(筆触)のほうが前面に出てきたりもする。のだが、それが前面に出てきても全面には出てこないのが彼の作品の特徴なのか。
2009/02/15(日)(村田真)
都市へ仕掛ける建築──ディーナー&ディーナーの試み
会期:2009.1.17~2009.3.22
東京オペラシティアートギャラリー[東京都]
タイトルからなにかストリート系のゲリラ的建築を想像、というより期待していたのだが、内容も見せ方もオーソドックスな建築展だった。すぐに出た。
2009/02/15(日)(村田真)
女子美スタイル☆最前線
会期:2009.2.11~2009.2.15
BankARTスタジオNYK[神奈川県]
女子美(短大も含む)の卒業・修了制作展。1階から3階まで全館を使ってるが、出品者が200人を超すのでキュークツそうだ。ま、このほうがスカスカより祝祭的だが。ファンシーな心臓、キモイ心臓を描いた大小島真木、ポップな色とかたちがうれしい榎本浩子、どこから出てきたのか頭足少女の小沢団子ら、やはり絵画ばかりに目が向くが、白井洋子のたたむと動物になるブランケット《MOKOMOUF》は、すぐに商品化できそうだ。コンドームを使った学生が約2名いたが、使い方が違いますよ。
2009/02/13(金)(村田真)
文化庁メディア芸術祭
会期:2009.2.4~2009.2.15
国立新美術館[東京都]
混んでる。テレビで放映された直後だし、建国記念日でお休みだし、しかもタダ。会場をぐるっとまわって、黒山以外ほとんどなにも見ずに出た。
文化庁メディア芸術祭:http://plaza.bunka.go.jp/
2009/02/11(水)(村田真)