artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

LEGOLAND Japan

[愛知県]

取材で名古屋レゴランドへ。目的は、宮島、神戸、大阪、京都、名古屋、富士山、東京、札幌、登別などのランドマークがミニチュアとして集合する中央のミニランドだ。が、中銀カプセル、オーガニックビル、TASAKI銀座など、一般の観光客は訪れないけれど、建築ガイトに掲載されるような建築通のセレクションもあって興味深い。レゴは組積造なので、日本の木造建築や曲線を多用した現代建築だと、ラインの凸凹が目立つ。その結果、全体の印象は立体ピクセル模型と言うべきもので、現実の空間に映画『マトリックス』のようなデータ世界が侵入したかのように思える。

2017/05/01(月)(五十嵐太郎)

リニア・鉄道館

[愛知県]

すぐ近くのリニア・鉄道館へ。明るいエントランスから、まず暗闇の空間になったシンボル展示で、汽車、新幹線、リニアが並ぶ。ここを抜けると、大空間に数多くの車両が展示されている。やはり、実物が展示されると、モノと歴史の重みが圧倒的だ。何よりも別のメディアによって変換されることで記号化・抽象化されないために、情報量が多い。筆者にとっても懐かしい昭和の車両も見かける。鉄道ファンなら、もっと感激するのだろう。そして無駄なく、そつなく、スマートに解いた建築である。調べたら、やはり日建設計の仕事だった。

2017/05/01(月)(五十嵐太郎)

《盛美館》《御宝殿》

[青森県]

コンペの打ち合わせのため、青森県の平川市へ。前から見たかった《盛美館》を見学する。これは帝冠様式とは反対の構成をもち、1階が和風、2階が洋風であり、隅にアンバランスなほど、大きい八角展望室がのる。現地に行くと、庭園との関係でつくられた建築だとよくわかる。ただ、2階を見学できないのは残念。《御宝殿》はまるで日光だが、入口が普通の住宅にあるような玄関のドア! という落差に驚く。

2017/04/28(土)(五十嵐太郎)

ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝─ボスを超えて─

会期:2017/04/18~2017/07/02

東京都美術館[東京都]

内容は、オランダの同時代美術(宗教画から世俗・風景画へ)、ボスの奇想画とそのフォロワー、そしてボスの影響を受けたブリューゲルの版画と目玉の作品というラインナップ。一枚の絵から当時の状況を伝えるものだ。「バベルの塔」の絵のサイズがかなり小さいだけに、逆に300%、映像、拡大した壁紙にしても、鑑賞に耐えるオリジナルの圧倒的な解像度に感心させられる。

2017/04/26(木)(五十嵐太郎)

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齋藤隆太郎/DOG《対行政住宅》

[神奈川県]

齋藤隆太郎が設計した戸塚の《対行政住宅》を見学する。傾斜した住宅地のややこしい法的条件をクリアすべく、車庫棟と住宅棟に分離して後者の高さを確保し、全体に大きな片流れの屋根を架ける。これが建物のルックを大きく決定している。また室内からは軒下の水平なスリットが気持ちいい。現在、被災地の陸前高田でもプロジェクトに関わっているという。

2017/04/23(金)(五十嵐太郎)