artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

忘れる日本人

会期:2017/04/13~2017/04/23

KAAT 神奈川芸術劇場[神奈川県]

三浦基演出、松原俊太郎作「忘れる日本人」@KAAT。突き刺すような凄まじい音圧とヒップホップのごとく、畳みかける言葉の渦。もはや物語は解体され、寓意の波に身を委ねる感じだ。見えない壁に囲まれた閉鎖的な空間において演劇は進行し、終盤に皆で担ぎ上げた中央の舟が右旋回で動く挙句に、カタルシスを迎える。

2017/04/23(金)(五十嵐太郎)

東北大五十嵐研のゼミ合宿5 東京国立博物館

東京国立博物館[東京都]

ゼミ合宿の2日目は、上野の国立博物館にて、学芸企画部企画課デザイン室長の木下史青の案内によって、照明、治具、什器、空間との関係など、詳しく案内していただく。本館の展示ケース、リニューアルした東洋館、平成館の照明、法隆寺宝物館の谷口吉生のこだわりなど、普通に作品を鑑賞する環境を整える背後の努力を学ぶ。日本の博物館で常勤のデザイン担当がいるのはまだ珍しい。

2017/04/22(木)(五十嵐太郎)

東北大五十嵐研のゼミ合宿6 八戸新美術館プロポーザル展

会期:2017/04/10~2017/04/26

TAPERED GALLERY[東京都]

東京藝大の建築科で完成した小さな台形の《TAPERED GALLERY》を見学する。コンペの学生案をもとに設計されたもので、オープニングの企画として、西澤徹夫、浅子佳英、森純平による設計チームがコンペに勝利した、八戸新美術館プロポーザル展が開催されていた。倉庫だった壁をぶち抜き、鉄板をぐるっと床壁天井とはりめぐらす。

2017/04/22(木)(五十嵐太郎)

東北大五十嵐研のゼミ合宿7 坂茂:プロジェクツ・イン・プログレス

会期:2017/04/19~2017/07/16

TOTOギャラリー・間[東京都]

過去の完成した作品を振り返るのではなく、勢いがあるだけに、今年オープンしたばかりのパリの《ラ・セーヌ・ミュジカル》と世界各地で進行中のプロジェクトを紹介する。1/1の部分再現が多いのは、水戸芸術館での個展と同様で坂茂らしい。ギャラ間の天井高の関係で幾つか1/3もあるが、このスケールならディテールは消えない。

2017/04/22(木)(五十嵐太郎)

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東北大五十嵐研のゼミ合宿8 10周年記念 東京デザインテン

会期:2017/04/14~2017/05/21

東京ミッドタウン・デザインハブ[東京都]

浅子佳英が全体監修した「東京デザインテン」展のギャラリーツアーに参加する。東京の地図を南北軸で輪切りにしながら配置し、交通インフラから始まり、タワマン、リノベーション、観光、多民族などのヴィジョンを提示し、現代の東京を考えるもの。2003年、六本木ヒルズの「世界都市展」で筆者が監修した「TOKYO RISING」のセクションと比較し、時代の変化を見ると興味深い。

2017/04/22(木)(五十嵐太郎)

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