artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
舞台芸術創造事業 ストラヴィンスキー「兵士の物語」
会期:2017/03/18
東京文化会館[東京都]
革命や戦争で資産が奪われ、十分なメンバーを集めにくいなか、巡回公演で稼ぐことを考えてつくられた作品である。なるほど、シンプルなアンサンブルと演者陣だった。語り手に能楽師を入れ、台詞、設定、背景を日本化した演出によって、欲望をめぐる兵士と悪魔の駆け引きが描かれる。
2017/03/18(土)(五十嵐太郎)
シャセリオー展 19世紀フランス・ロマン主義の異才
会期:2017/02/28~2017/05/28
国立西洋美術館[東京都]
37歳の若さで亡くなったが、シェイクスピアなど文学の世界観、異国趣味を取り入れつつ、ギュスタブ・モローほか、象徴主義に大きな影響を与えた画家である。最後のパートは、パリの会計検査院の階段室で彼が制作したものの、破壊によって失われた巨大壁画や礼拝堂壁画など、建築装飾を紹介する。
2017/03/18(土)(五十嵐太郎)
五十嵐淳/五十嵐淳建築設計事務所《MUSEUM STORE》
[北海道]
札幌の二条市場近くにあるデザインのアンテナショップ《MUSEUM STORE》へ。札幌軟石の外壁、木造3階建て、大正時代の倉庫に、白い家型を複数挿入しつつ、店主のセルフビルドによって、リノベーションしたもの。2階に五十嵐淳の事務所、超日本展を開催中のギャラリー、アトリエなどが入る。
2017/03/17(金)(五十嵐太郎)
《北海道大学総合博物館》
[北海道]
1929年完成の旧理学部本館を使い、総合大学の強みを活かしたヴォリュームのある施設だった。1階の北大の歴史、ラボ、カフェなどはデザインが入った展示空間である。ただ、各学部や各学科のセクションになると、モノは面白いが、展示デザインが全然なかったり、見せるモノがないなど、ばらつきが目立つ。
2017/03/17(金)(五十嵐太郎)
北海道卒業設計合同講評会2017
会期:2017/03/16
北海道大学 遠友学舎[北海道]
北海道卒業設計合同講評会2017の審査を、五十嵐淳、島田陽、増田信吾と行なう。総数が多くないので、参加者全員が、3分の発表+7分の講評を与えられた贅沢な場だった。審査員と学生が近い場はよい。最終的に八木悠が最優秀に選ばれる。火葬場はよくあるテーマだが、絵も詩もよく、身寄りのない人の施設ゆえに、死者が一人称で語る空間の構想は初めてかもしれない。また、せんだいデザインリーグのエスキス塾でも見た作品だが、駒場寮の経験者としては学生の自治・共同体を考える案を応援するという意味で、個人賞には鳴海舜の京都の大学寮を選ぶ。
2017/03/16(木)(五十嵐太郎)