artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
第10回記念JIA東北住宅大賞2016 記念講演会
会期:2016/11/19
仙台市地下鉄東西線国際センター駅 青葉の風テラス[宮城県]
大阪から仙台へ。東北住宅大賞第10回記念記念講演会にて、審査員をつとめてきた古谷誠章と共に登壇する。訪問者を受け入れ、季節の変化に合わせて重ね着をする遊牧民のパオから始まって、自邸のほか、茅野市民会館など、さまざまな公共建築のプロジェクトが紹介され、イベントが発生し、人が出会う場所をつくることが、古谷建築に通底する醍醐味だということが語られた。夜は秋保温泉・佐勘に初めて泊まったが、高層棟、蔵を迷宮的につなぐ建築だった。
写真:秋保温泉・佐勘
2016/11/19(土)(五十嵐太郎)
みんなの建築ミニチュア展 in 大阪 トークイベント 五十嵐太郎×遠藤秀平
会期:2016/11/18
大江ビルヂング[大阪府]
大阪に戻って、「みんなの建築ミニチュア展in大阪」のトークイベントで、遠藤秀平と対談を行なう。およそ1年間、関西と東京の各地を巡回したミニチュア建築展も、ここがいよいよ最後の会場である。いつもより小さな部屋なので、厳選してコンパクトに展示している。会場の建物はかつて遠藤事務所があったところで、久しぶりに訪れた懐かしい場所だった。歴史を振り返ると、エッフェル塔がミニチュアみやげに火をつけたのだろうかといった話題になった。
写真:左下=大江ビルヂング
2016/11/18(金)(五十嵐太郎)
状況のアーキテクチャー「開かれたプロセス設計と建築」
会期:2016/11/18
京都市立芸術大学[京都府]
京都芸大の特別プロジェクト2016 / 状況のアーキテクチャーにて、藤村龍至・五十嵐太郎「開かれたプロセス設計と建築」のレクチャー。同シリーズの登壇者はほとんど「3.11以後の建築」展のメンバーと重なっていた。芸大移転はかなり大掛かりなプロジェクトだが、想像以上に早いスケジュールで動くようである。なお、同日は大阪万博の音響彫刻を復元・展示し、演奏するプロジェクトも行なわれていた。
写真:音響彫刻
2016/11/18(金)(五十嵐太郎)
日本橋の家
会期:2016/11/18
[大阪府]
大阪へ。安藤忠雄が設計した日本橋の家を見学する。造り付けの家具、フローリングを外し、もともと取り外し可能としていた一部の床をなくすことによって、かつて住まいだったとは思えないほど、抽象的なギャラリーの空間に変容していた。間口は、以前見学した住吉の長屋よりも細い。施主は近くに引っ越し、ここを建築好きのために開放するという。その幕開けとして、各部屋を使いながら、日本建築設計学会による関西の12組の「建築家の住宅模型」展が開催されていた。今後、どのように使われるか楽しみである。
写真:左=上から、日本橋の家、宮本佳明、遠藤秀平 右=上から、日本橋の家、竹山聖、3階から4階への階段
2016/11/18(金)(五十嵐太郎)
岡山大学 Junko Fukutake Hall
会期:2016/11/17
[岡山県]
SANAAによる岡山大学のJunko Fukutakeホールは、近代建築に隣接して、大きく傾いた屋根を何枚か並べて、その下にガラスにおおわれた空間を生み出す。視線が貫通する開放的かつ透明感あふれる建築だ。もっとも、あまりここで佇んだり、入り口周辺にいることが歓迎されず、運用がそれほど開放的でないのは残念だった。
2016/11/17(木)(五十嵐太郎)