artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

東北大五十嵐研ゼミ合宿《千葉市美浜文化ホール・保健福祉センター》ほか

[千葉県]

小泉雅生+村井一知による《千葉市美浜文化ホール・保健福祉センター》へ。車道に対しては開口部がほとんどない黒いファサードで背中を向け、隣接する区役所に対して、白い顔と銀色に張り出すヴォリューム群を対峙させる。二つの異なるプログラムを平面的、断面的に分けて処理しつつ、左右に二つのホールを設けるが、円や縦桟のモチーフが全体を統合している。このホールから徒歩圏にある、小嶋一浩による《クリニック/ハウスN》へ。彼としてはめずらしい明快な円柱のヴォリュームの建築。その後、榎本建築設計事務所による《幕張総合高校》を訪れた。どでかい派手なポストモダンのデザインで懐かしい。教室群が面する吹抜けに巨大なクライミング施設が後づけで挿入されていることにも真底驚かされた。どうも全国的にも有名らしい。

写真:左=《千葉氏美浜文化ホール・保健福祉センター》 右上=《クリニック/ハウスN》 右中・右下=《幕張総合高校》

2016/08/08(月)(五十嵐太郎)

東北大五十嵐研ゼミ合宿《千葉市立打瀬小学校》《千葉市立美浜打瀬小学校》

[千葉県]

シーラカンスによる《打瀬小学校》と《美浜打瀬小学校》を見学する。前者は集落のように小さな教室棟が配置され、象徴的な屋根こそないものの、原広司による沖縄の城西小学校を思い出す。いまも塀はなく、気持ちがいい開放的な空間だ。夏休みの期間で子どもがいなくても、アクティビティを想像させる。そして後者は、前者の低層の形式を踏まえつつ、直交座標系を強めながら教室群を配列している。

写真:左=《千葉市立打瀬小学校》 右=《千葉市立美浜打瀬小学校》

2016/08/08(月)(五十嵐太郎)

東北大五十嵐研ゼミ合宿《ホキ美術館》《幕張ベイタウン》ほか

[千葉県]

東北大五十嵐研のゼミ合宿。初日午前は《ホキ美術館》、午後は《幕張ベイタウン》めぐりを行なう。パティオス5番街には、日建設計の山梨知彦さんが関わっていたことに気づく。このエリアについては完成直後の約20年前、関係者十数人にインタビューして『造景』で長い論考を書いたが、いま見ても、スティーブン・ホールや坂本一成など、やはりデザインガイドラインと格闘した最初の集合住宅群が建築的に興味深い。

写真:上から、スティーブン・ホール《パティオス11番街》、山下昌彦+宇野求《パティオス2番街》、松永安光+坂本一成《パティオス4番街》

2016/08/08(月)(五十嵐太郎)

古代ギリシャ─時空を超えた旅─

会期:2016/06/21~2016/09/19

東京国立博物館 平成館[東京都]

なぜいまギリシャなのか? と思ったのだが、展示に古代の競技のセクションがあったように、ちょうどオリンピックが開催されているからのようだ。われわれがよく知っている「美しい」古典の造形に到達する、はるか昔の紀元前6,500年頃までさかのぼり、ミノス、幾何学様式を経て、洗練の過程をたどることができる内容はとても勉強になった。

2016/08/07(日)(五十嵐太郎)

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五十嵐太郎、菊地尊也、東北大学五十嵐太郎研究室編著『図面でひもとく名建築』

会期:2016/08/06

『図面でひもとく名建築』の打ち上げを行なう。企画の開始から約1年で完成したので、これまでに五十嵐研で取り組んだ書籍に比べても、かなり早いペースだった。表紙を描いてもらったケンチクイラストレーターの野口理沙子さん、一瀬健人さんも参加する。果たして、そんなニッチな職業が成立するのだろうかと思っていたら、彼らは設計事務所に勤務しつつ、イラスト業も展開しているという。
http://noguchi-risako.com

2016/08/06(土)(五十嵐太郎)