artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

旧大槌町役場庁舎

[岩手県]

大槌では、赤浜の記憶をたどりながら、猛烈な土木工事が進むエリアを見て、震災遺構となった旧大槌町役場に足を運ぶ。これも完全に柵で囲まれ、まわりから見下ろす。ということは、その道路の高さの分だけかさ上げされているわけだが、駅や火で焼けただれた街並みは完全に消えた。近くには妙に和風の復興集合住宅が建つ。

写真:上=大槌町 下2枚=旧大槌町役場

2016/07/16(土)(五十嵐太郎)

白川在建築設計事務所《N VILLAGE》

[岩手県]

竣工:2015年

大槌へ向かう途中、浪板海岸にて白川在が設計したN VILLAGEを見る。カフェ、サーフショップ、集会所などの複合施設で、尖った家型の大小のシルエットが5つ並ぶ。現物は写真の想像よりも大きい。が、それによって防風林に面し、海と山に挟まれた場所においてちょうどよいスケールだと感じられた。

2016/07/16(土)(五十嵐太郎)

山田町

[岩手県]

山田町は、大杉神社が残っており、廃墟のなかで鳥居がたっていた風景を思い出す。周囲はほぼ更地で、この神社の存在が以前目撃したのと同じ場所だという確信を与える。蔵や一部のビルも残っていた。消えた駅や線路の周辺は、かさ上げした土地の上に復興集合住宅群を建設中である。それを挟んで両側に仮設商店街が配置されていた。

写真:左=上から、山田町概観、大杉神社、山田町に残る蔵やビル 右=上から、復興住宅、仮設商店街

2016/07/16(土)(五十嵐太郎)

宮古市崎山貝塚縄文の森ミュージアム

[岩手県]

宮古の付近で、ちょうど崎山貝塚縄文の森ミュージアムのオープンの日に通りかかる。大きな屋根や蛇籠が目立ち、アトリエノルドの設計のようだ。埋蔵文化財センターのエリアが多いせいか、外観ほど展示スペースは大きくない。巻貝型土器など、展示物は面白い。屋外の公園には復元竪穴式住居などがある。

2016/07/16(土)(五十嵐太郎)

宮古市の市役所周辺

[岩手県]

宮古市の市役所周辺へ。もう通常の様子だが、現地を訪れると、ここで前に見た風景を思い出す。やはり、一度でも現場でモノと対峙してると、データや写真ではわからない=代替できない全方位的なスケール感や空間の感覚が身体に残っている。点在している空き地は、おそらく建物が被災し、取り壊された跡だろう。

2016/07/16(土)(五十嵐太郎)