artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

中野成樹+フランケンズ2015秋・葉原「ロボットの未来・改(またつながらない星と星)」

会期:2015/11/20~2015/11/25

アキバナビスペース[東京都]

なんでここ? という感じの秋葉原のイベントスペースを借りるが、公演中に幾度もシャッターを開閉し、俳優が出入りしつつ、舞台が街と接続する趣向だった。たまに通行人も何事が起きているのかとこちらをのぞき込む。これは面白い効果である。ロボットゆえの珍妙な会話が笑えるが、同時に人とは?、自己とは?などの哲学的な問いも発せられる。

2015/11/25(水)(五十嵐太郎)

黄金伝説 展 古代地中海世界の秘宝

会期:2015/10/16~2016/01/11

国立西洋美術館[東京都]

最古と言うべき6000年前のブルガリアで発掘された副葬品に始まり、ギリシア、エトルリア、トラキアなどの金製品が集結する。手作業による、虫眼鏡が必要なほどの緻密な装飾に驚かされる。金の林檎など、金の神話にまつわる絵画も展示し、モローやクリムトらの作品も紹介されていた。

2015/11/25(水)(五十嵐太郎)

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《十和田市民交流プラザ》

[青森県]

竣工:2015年

商店街を歩くと、近藤哲雄によるpodなどのストリートファニチャーも新しく点在している。そして隈研吾による《十和田市民交流プラザ》は、小さな家型の集合体を「鉄板」のルーバーで包む(鉄ではなく、杉を使う。念のため)。内部は、外観からは想像できないほど、小さな街のように複雑に空間が展開する。午後は、ここで恒例のJIA東北住宅大賞の公開審査を古谷誠章と共に行なう。今年は例年より多い35作品の応募があり、賞の継続ゆえに、そのレベルもさらに上がっている。学生の作品と違い、プロの建築家が設計した住宅。しかも本人たちの目の前で現地審査対象作品を絞り込む作業は大変である。
写真:左上=隈研吾《十和田市民交流プラザ》(外観)、左中/左下/右下=同(内観)、右上=近藤哲雄《pot》、右中=日高恵理香《商店街の雲》

2015/11/21(土)(五十嵐太郎)

《十和田市民図書館》

[青森県]

竣工:2014年

十和田の官庁街通りには、最近、安藤忠雄が設計した《十和田市民図書館》もオープンした。街路に対して長いガラス面で閲覧者が見え、奥に引き込んでから、室内に入る。低層だが、細長いコンクリートのヴォリュームと、上部から採光するサンルームを抱えた大きな片流れの屋根の組み合わせが、印象的なシルエットをつくる。
写真:左上/左下/右上=安藤忠雄《十和田市民図書館》(外観)、右下=同(内観)

2015/11/21(土)(五十嵐太郎)

Arts Towada/アート広場

[青森県]

竣工:2010年

久しぶりに、十和田市現代美術館周辺を歩く。草間彌生、ファット・ハウス、ゴースト、R&Sie(n)作品などのアート広場が周囲に増え、かつては寂しかった通りがにぎやかになっていた。西沢立衛による大きな公衆トイレも出現した。美術館のオープン後の展開を見ると、実は美術館のコンペのとき、審査員をつとめたのだが、彼の案を選んでよかったと改めて実感する。
写真:左上=アート広場(十和田市現代美術館)、左中/右中=エルヴィン・ヴルム《ファット・ハウス》、左下=草間彌生《愛はとこしえ十和田でうたう》、右上=R&Sie(n)《ヒプノティック・チェンバー》、右下=左から、インゲス・イデー《ゴースト》《アンノウン・マス》、西沢立衛《トイレ》

2015/11/21(土)(五十嵐太郎)