artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
デイヴィッド・チッパーフィールド《Am Kupfergraben 10》
[ドイツ、ベルリン]
竣工:2007年
チッパーフィールドによるギャラリーの集合体《Am Kupfergraben 10》は、写真で説明しにくい、現地で初めてわかる傑作だった。自ら関わった新博物館ほか、周囲の歴史的建築の文脈を徹底的に読み込んだデザインや素材のモダンな空間である。また、ダン・フレイヴィンを展示していた3階は、光の効果でさらに空間の凄味を増す。
写真:上=Am Kupfergraben 10外観、下=ダン・フレイヴィン展示風景。
2015/09/19(土)(五十嵐太郎)
Alicja Kwade ─ Monolog aus dem 11ten Stock
会期:2015/09/19~2015/11/22
Haus am Waldsee[ドイツ、ベルリン]
2012年も訪れた一軒家をアートスペースに変えたHaus am Waldseeで、アリシャ・クワデの個展を開催していた。同日に別の二カ所で彼女の作品に遭遇したが、ベルリンの売れっ子アーティストである。アリシャ・クワデの展覧会は、ぐるっと丸めた扉に始まり、家のあちこちを横断する金管楽器風のオブジェ、鏡自身がその鏡に映る曲がった鏡、鏡像関係のオブジェ群、左右対称の配置など、会場が住宅の各部屋ならではのインスタレーションを全面的に展開する。それにしても、入場制限があるほど、長い行列が発生していた。
2015/09/18(金)(五十嵐太郎)
Transient Material Zusammengestellt von Harald Theiss
会期:2015/09/19~2015/11/08
Haus am L tzowplatz[ドイツ、ベルリン]
奥のグループ展では、あいちトリエンナーレ2013に出品したフロリアン・スロタワも参加していた。コンクリートでつくった複数の電球を吊る、Michael Sailstorferのクルマに乗せてもらい、別のオープニングへ。
2015/09/18(金)(五十嵐太郎)
アンドレアス・コッチ展
会期:2015/09/11~2015/11/15
Haus am L tzowplatz[ドイツ、ベルリン]
Haus am L tzowplatzのオープニングへ。Andreas Kochの個展と、奥でTransient Material Zusammengestellt von Harald Theiss展が始まっていた。前者にはミースの新国立美の巨大模型をそのままひっくり返した作品があり、ミニマルな彫刻に見える。また、Kochによる自分の部屋を上から撮影し、その写真を床に敷くインスタレーションは、まわりの壁に窓からの風景を効果的に配し、等高線を描いた地形に見立てたぐしゃぐしゃの布団などを置き、空間や建築への介入が興味深い。
2015/09/18(金)(五十嵐太郎)
SAQ《BIKINI BERLIN》
[ドイツ、ベルリン]
竣工:2014年
SAQアーキテクツらによるビキニ・ベルリンへ。1950年代の古い商業施設の増改築で、背後にある動物園という敷地の利点を生かし、再生ショッピングセンターの内部や屋上から猿山が見学できる!(ドバイなら最初から合体建築でつくるかもしれないが)増築部分は、人工的なランドスケープのようだ。
2015/09/18(金)(五十嵐太郎)