artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

チェコの映画ポスター──テリー・ポスター・コレクションより

会期:2014/03/21~2014/05/11

京都国立近代美術館[京都府]

京都近代美術館の思わぬ収穫は、「チェコの映画ポスター」展だった。1960年代から80年代までのコレクションだが、びっくりするほど、アヴァンギャルドである。チェコの映画だと、もとの内容はわからないが、ハリウッド、フランス、日本映画(ゴジラや黒澤明など)の知っている作品の場合、チェコでの公開時には、こうしたデザインのポスターだったとは! と驚く。それくらい映画のイメージと切り離され、自由奔放なポスターである。

2014/04/06(日)(五十嵐太郎)

Future Beauty──日本ファッション:不連続の連続

会期:2014/03/21~2014/05/11

京都国立近代美術館[京都府]

京都国立近代美術館の「FUTURE BEAUTY」展へ。入ってから気づいたのだが、一年半前に東京都現代美術館で見た展覧会だった。とはいえ、海外巡回を経て、新しい展示や京都との関連作品も増えており、同じものではない。以前、せんだいスクール・オブ・デザインの講義で西谷真理子が紹介していた、アンリアレイジやハトラなどが同展の最後のパートで紹介されているが、新しいファッションの動きも注目していきたい。

2014/04/06(日)(五十嵐太郎)

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加賀正太郎+安藤忠雄《アサヒビール大山崎山荘美術館》

[京都府]

続いて、大山崎山荘美術館に立ち寄る。聴竹居と同じ頃の大正~昭和初期に建設されたものだが、こちらはベタな洋館だ。おそらく、当時は山荘の方が「豪華」なイメージだったのだろう。平成に安藤忠雄のリノベーションが入り、コンクリートのモダニズムと様式建築という新旧の対比が鮮やかに浮かびあがるようになった。地形を切り裂く階段など、既存のファサードへの影響を低減しつつ、自然に挿入された幾何学が美しい。

2014/04/06(日)(五十嵐太郎)

藤井厚二《聴竹居》

[京都府]

山崎に向い、藤井厚二が設計した聴竹居を見学した。本当に細かい。なるほど、家具・インテリアから建築のデザインが連続的に展開されている。フランク・ロイド・ライトやリートフェルトの同時代に、日本でもこのレベルのモダニズムに到達していたことに感心させられる。むろん、すでに伝統的な日本建築の水準が高かったこともあるが、さらに現在のパッシブ・デザインの先駆と言うべき、環境制御の工夫も行なわれている。聴竹居にはまる人がいるのもうなずけよう。ガイドも熱弁だった。

2014/04/06(日)(五十嵐太郎)

ロボコップ

未来を舞台にした『ロボコップ』は、もはやアフガンで兵士が戦死する必要がなくなるという理由から、ロボット導入を煽る、TVショーから始まる。生体+機械の融合、身体の解体、感情のゆらぎの描写などは、もっと即物的だったオリジナルに比べて、現代のテクノロジーの進化を受けて、バージョン・アップしている。なお、オムニコープ社の社長の部屋には、フランシス・ベーコンによる三幅対の不気味な絵画が展示されていた。

2014/04/01(火)(五十嵐太郎)