artscapeレビュー

建築に関するレビュー/プレビュー

東北大五十嵐研のゼミ合宿9 浅子佳英/タカバンスタジオ《gray》

[東京都]

学芸大に移動し、浅子さんの自邸兼スタジオへ。外観は普通の家のままの自主施工によるリノベーションである。が、2階のリビングに入ると、屋根架構がむき出しの想像以上に大きな黒いシンメトリ・ワンルームで驚く。さらに1階へ梯子で降りると、かわいい小部屋の別世界が現われる。ただし、奥に奥に進んで到達した寝室。実は道路のすぐ脇であり、塀もないから外部にきわめて近く、何度も経験が反転する。

2017/04/22(木)(五十嵐太郎)

東北大五十嵐研のゼミ合宿1 月島の改修

[東京都]

東北大五十嵐研のゼミ合宿。まずは千種成顕による月島の改修を見学した。看板建築が残る古い木造が並ぶ一角のリノベーションである。外部と内部のあいだの壁厚を取り、窓の額縁部分に鏡面のリングを入れ、風景が歪んで映り込む第三の虚構空間をつくる。什器は中央、天井にアート的な照明を吊るす。

2017/04/21(水)(五十嵐太郎)

東北大五十嵐研のゼミ合宿2 トレフォルムの集合住宅ほか

[東京都]

茗荷谷に移動し、増田+大坪事務所を訪問する。大学を卒業し、仲間とすぐに拠点を構えた場所が現在の職場になったという。興味深かったのは、大量の模型によるスタディはせず、コンピュータで全体と細部を同時に構想していくこと。ディテールのモックアップはつくるけど、模型の雰囲気に囚われないやり方を試みているという。また事務所から徒歩圏でまわれる近隣の建築を教えてもらう。閑静な住宅地のなかに、山口誠の《OGGI》、谷尻誠の住宅、TNAの《カタガラスの家》、トレフォルムの集合住宅(千葉学、小川晋一、西澤立衛)などが点在しており、建築家物件の密度が高い。

写真:左=《トレフォルム》 右上=山口誠《OGGI》 右中=谷尻誠 右下=《カタガラスの家》

2017/04/21(水)(五十嵐太郎)

東北大五十嵐研のゼミ合宿3 建築博物誌/アーキテクトニカ(ARCHITECTONICA)

会期:2013/12/14

東京大学総合研究博物館小石川分館建築ミュージアム[東京都]

小石川植物園にある東京大学総合博物館の建築博物館/アーキテクトニカへ。本展を企画した松本文夫から、博物館の概要に加え展示の内容やデザインについて詳しく案内していただく。大学で廃棄されかかったモノを救い出し、リサイクルした什器や、展示物を固定するための治具など、随所にIMT(インターメディアテク)と共通するこだわりが感じられる。

2017/04/21(水)(五十嵐太郎)

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江戸切子の店 華硝(日本橋旧テーラー堀屋改修)

[東京都]

日本橋本町の「江戸切子の店 華硝」は、三井嶺が手がけた看板建築のユニークな耐震補強である。ジャッキアップし、土台と基礎を一新する。そしてコンピュータで形状を解析した、鋳鉄の門型フレームを連続的に挿入する。フレームは視線が抜ける装飾的にも見える網目をもち、商品の切子と呼応していた。

2017/04/19(月)(五十嵐太郎)