artscapeレビュー
建築に関するレビュー/プレビュー
《ラス・アレナス》
[スペイン]
見本市での国際コミックフェアの大行列を横目にみて、リチャード・ロジャースが闘牛場をリノベーションした《ラス・アレナス》へ。イスラム風アーチが連続する皮膜だけを残し(地階部分もあえて切断)、派手でカラフルなハイテクデザインにより、ダイナミックな商業空間を再構築したものだ。頂部には、イベントを行なう場をつくる木造ドームと、それを囲んでリング状の展望台が設けられている。
2017/04/02(日)(五十嵐太郎)
《グエル別邸》《ミラーリェス邸の石門》
[スペイン]
今風の現代建築も建つ大学やカンプノウ・スタジアムなどの新市街エリアへ。宮殿のあるペドラルベス公園を抜けて、ガウディによる《グエル別邸》(竜のアイコンが目立つ)と、いまや集合住宅のゲートになった石門(塀とかはちょっと中国の庭園ぽい)を見る。さすがに観光客はほとんどおらず、この辺は静かだった。
写真:左=《グエル別邸》 右=《ミラーリェス邸の石門》
2017/04/02(日)(五十嵐太郎)
《カタルーニャ音楽堂》
[スペイン]
ドメネク・モンタネールによる《カタルーニャ音楽堂》を見学する。これも豪華で個性的な装飾に目を奪われるし、実際それは大きなウリなのだが、モダニズムの特徴ではない。実際、バロック様式のオペラ座もそうなので、むしろ両側・上部から採光できる明るいホールであることに近代を強く感じる。いや現代であろうとも、こんなに光を入れるホールの空間は多くない。
2017/04/01(土)(五十嵐太郎)
《ボルン・カルチャーセンター》
[スペイン]
《ボルン・カルチャーセンター》は、19世紀の市場の下に、18世紀の遺跡が発見され、吹抜けで地下の遺跡をまるごと展示する施設にリノベーションされたものだ。古代のようだが、近世の街並み。この辺りにかつて砦もあったことがわかる。21世紀、19世紀、18世紀の歴史が積層した空間だ。
2017/04/01(土)(五十嵐太郎)
《カタルーニャ歴史博物館》、フランク・ゲーリー《FLYING FISH》
[スペイン]
海辺の《カタルーニャ歴史博物館》へ。倉庫を改造したもので、長いスロープがえんえん続く巨大な吹抜けを内部に抱える。最頂部に眺めがよいレストランを置く。2階の常設のみ開催中だった。ここからバルセロナオリンピックを契機に開発されたエリアを歩く。途中、五輪から25周年を記念する掲示もあった。そしてオリンピック村のホテル、カジノ、商業施設に囲まれたゲーリーの魚のオブジェにたどり着く。わざわざ見に行くべきか迷っていたが、神戸の《フィッシュダンス》をはるかに超えるデカさで、そのバカバカしさに感心する。来てよかった。ビルバオの美術館も街並みに対する絶妙なスケールだったし、彼の大きさの感覚は面白い。
写真:左=《カタルーニャ歴史博物館》、右=《FLYING FISH》
2017/04/01(土)(五十嵐太郎)