artscapeレビュー

建築に関するレビュー/プレビュー

「新しい建築の楽しさ2016」展

会期:2017/01/10~2017/03/04

AGC studio[東京都]

「新しい建築の楽しさ2016」の後期展示@AGC STUDIO。前期はリノベーションが中心だったが、今度は新築のプロジェクトをピックアップする。大西麻貴+百田有希の楽しそうな図書館、山崎健太郎の長~い縁側、伊藤立平の木を集積した建築など。バンバタカユキがデザインした模型台は、ドアが開いて風が吹き込むだけでゆらゆらする。

写真:上から、大西麻貴+百田有希、山崎健太郎、伊藤立平

2017/01/14(土)(五十嵐太郎)

アセンブル “共同体の幻想と未来”展

会期:2016/12/09~2017/02/12

EYE OF GYRE[東京都]

ターナー賞の受賞で話題になった、荒廃したエリアをアート、デザイン、建築の力で再生させるユニットである。日本でも似たような活動はあるが、イギリスだとアーツアンドクラフツの補助線はあるのだろうかと思う。廃屋に植物は魅力的なイメージだが、果たしてどこまで具現化できるか。

2017/01/10(火)(五十嵐太郎)

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紅楼餐庁、多田榮吉故居ほか

[台湾、新北市淡水]

初の淡水へ。元旦で日曜のせいか、海沿いは異常なほどの人混みだったが、歴史建築のエリアはそうでもなかった。レストランになった《紅楼》、日本家屋の《多田榮吉邸》、そしてふれこみどおりに、夕日が美しく差し込む小白宮、真理大学の巨大教会、観光客がひっきりなしに記念写真を撮る絶好のポイントになっている《旧英国領事館》、17世紀にスペイン人が建てた《紅毛城》などをめぐる。

写真:左=上から、淡水、《紅楼》《多田榮吉邸》《小白宮》 右=上から、真理大学の巨大教会、《旧英国領事館》《紅毛城》

2017/01/01(日)(五十嵐太郎)

台湾専売局、司法院ほか

[台湾、台北市]

未見だったものを中心に、台北の建築を急ぎ足でまわる。中正区では、森山松之助による《台湾専売局》(1913)、《教育大学》、《司法院》、《国軍歴史文物館》、そしてマルコ・カーサグランデによる一部を廃墟にしたままのリノベーションの《Ruin Academy》(2010)。西門周辺では広場として整備された《西本願寺》、修復工事中の《紅楼》など。北門に向かい、一階は石造の《撫臺街洋樓》(1910)、ペアコラムやエジプト風の意匠が目立つ、栗山俊一による《台北郵便局》(1930)。再び迪化街を抜けて、《長老教會大稻 教會》へ。古い教会(1915)の背後に高層棟(2007)を増築したもの。ただし、黒子のように姿を消すのではなく、教会の意匠を抽象化して継承する。青木淳の《台北ビル》(2009)は、モザイクによる幾何学装飾をつけた集合住宅だ。

写真:左=上から、《台湾専売局》《Ruin Academy》《西本願寺》 右=上から、《台北郵便局》《長老教會大稻 教會》《台北ビル》

2017/01/01(日)(五十嵐太郎)

フィールドオフィス・アーキテクツ+ 聲遠の作品群(羅東鎮)

宜蘭県[台湾、宜蘭県]

鉄道にのって、隣の都市へ。フィールドオフィス・アーキテクツ+ 聲遠の代表作である羅東文化工場は、想像以上にデカイ。ダイナミックな大屋根に細長いギャラリーを斜め方向に吊り、その下に階段や舞台、展示室、藤森照信の茶室などがある。壮大な広場だ。大阪万博の大屋根に挿入されたユニットを歩くのも、こんな感じだったのだろうか。
最後は羅東の樟仔園歴史物語公園へ。縫製工場の屋根を移設しつつ、公園にリズミカルな屋根を設け、周囲の孔子廟や教会などと連結する場をつくる。フィールドオフィス・アーキテクツによる新築は必ずしも多くないが、都市の隙間をつなぐような仕事を継続的に発見/創造する。ある意味では、卒計ならできるよね、といった類いのデザインを本当に実現しているというべきか。

写真:左上2枚=《羅東文化工場》 左下=藤森照信の茶室 右上=《羅東文化工場》 右下2枚=《樟仔園歴史物語公園》

2016/12/31(土)(五十嵐太郎)