artscapeレビュー

建築に関するレビュー/プレビュー

イカプトラ邸

[インドネシア]

最終日は、UGMの先生でもあるイカプトラ邸へ。これも開放的で、ジョグジャカルタらしく古材を利用し、ラジオ、電話やホーロー看板のコレクションで楽しい空間だった。これはさらに増築を重ね、図書室や公共トイレを設け、周辺のコミュニティの核となることを目指す、みんなの家でもある。今回、あまり公共施設を見学しなかったが、民間で興味深いプロジェクトが多いことから、お上に頼らない、自助精神が感じられる。

2016/03/31(木)(五十嵐太郎)

《Lindu Prasekti邸》

[インドネシア]

《Lindu Prasekti邸》は、アーティストが自分で設計した住宅である。これもリサイクル材を使う建築だが、Romoの手法とは逆で、クリアなヴィジョンをもち、あるべきところにモノが収まっている建築的な空間だった。下手をすると、単に古材を利用したキッチュな家になりがちだが、ハイセンスでまとめており感心する。

2016/03/30(水)(五十嵐太郎)

Romo Mangunwijayaのオフィス

[インドネシア]

Romo Mangunwijayaのオフィスは、《Wisma Salam》と同様、通常の建築の理解を拒否する空間だった。リサイクル素材による超迷宮的な増築旅館のようである。空間がこんがらがっており、圧倒的に強烈な個性を放つ。カリスマ的な彼の難解な著作は、インドネシアの建築学生にとって必読書になっているという。なお、カンポンのプロジェクトが評価されて、1990年代にアガ・カーン建築賞を受賞した建築家でもある。

2016/03/30(水)(五十嵐太郎)

ガジャ・マダ大学(UGM)建築学科

[インドネシア]

ハリーさんの母校であるガジャ・マダ大学(UGM)の建築学科を表敬訪問する。キャンパスに大きな竹の構築物がつくられていた。ほかにも興味深い開放的な建築がある。日本に留学経験した先生が多い。日本と比べて、院の進学率はそれほど高くないが、卒業生はデザイン系の仕事に就く割合が大きいようだ。

2016/03/30(水)(五十嵐太郎)

《Wisma Salam》

[インドネシア]

Romo Mangunwijayaが設計した《Wisma Salam》は、教会を中心とした複合施設であり、ドミトリーを備え、職業訓練なども行なう場だ。徹底して多様な素材と装飾によって全面が高密度に覆われ、それもある意味でのヘタウマで驚かされる。統合的な「建築」ではない。アウトサイダー建築とでも言うべきか。

2016/03/30(水)(五十嵐太郎)