artscapeレビュー
建築に関するレビュー/プレビュー
ボロブドゥール
[インドネシア、ボロブドゥール]
ボロブドゥールを散策する。およそ25年ぶりの再訪となるが、やはり圧倒的な建築だ。大きな丘の上に石の構築物を加えた壮大なスケール感は、モエレ沼公園を想起させるが、石によるピクセル建築と言うべき膨大な図像は宗教建築ならではの作業量である。石彫の入れ方は、ロマネスクの教会と比較すると興味深い。付属博物館は再現された当時の船、野ざらしで置かれた石片のパーツ群などを展示する。そして最後の出口は、動線が蛇行する物売りのマーケットが延々と続く。
写真:左列、右上=ボロブドゥール遺跡、右中・下=付属博物館
2016/03/30(水)(五十嵐太郎)
ジョグジャカルタ
[インドネシア、ジョグジャカルタ]
大都市のジャカルタに対して、古都のジョグジャカルタは落ち着く。グリーンホスト・ブティックのホテル・プラウィロタマンに宿泊する。CV TIM TIGAによる設計は、緑面に覆われたファサード、プール上の細い中庭、屋上の人工菜園を特徴とし、403 ARCHITECTUREを想起させるようなリノベーション的なインテリアが楽しい。
写真:左上=グリーンホスト・ブティック、左下・右列=ホテル・プラウィロタマン
2016/03/29(火)(五十嵐太郎)
スカルノ・ハッタ国際空港
[インドネシア、ジャカルタ]
ジャカルタの空港へ。国際空港はリゾート風の伝統屋根のデザインであり、ポール・アンドリューらしくない設計のように思えた。国内線はセキュリティを過ぎて、各ゲートに分岐しながら、移動する途中、完全に屋外としてのブリッジを移動するのだが、これこそがインドネシアらしい空間のあり方である。
2016/03/29(火)(五十嵐太郎)
スタジオ・トントン
[インドネシア、ジャカルタ]
次に隈研吾と共同プロジェクトが進行中のスタジオ・トントンを訪問する。現地で驚いたのは、ゴルフコースに幾つかの住宅が建ち、その向かいに事務所が存在したこと。光や風、水の音などの自然のささやかな変化を受け止める透明で白い建築は、日本の現代建築とも共通している。ガラス張りの浮かせた模型室など、増築の仕方も興味深い。彼らの本も素晴らしいデザインだった。
写真:左=上から、スタジオ・トントン外観、天井、右=上から、天井、打ち合わせ室、模型室
2016/03/29(火)(五十嵐太郎)
ビナス幼稚園、小学校
[インドネシア、ジャカルタ]
Dentonによるビナス幼稚園と小学校を見学する。ジャカルタ南部に建設された中高まで一貫のインターナショナルスクールであり、隣のゲーテッテッドコミュニティと同様、周囲に対して完全に閉じる。ポツ窓とカラフルなヴォリュームの操作が印象的な外観だが、内部空間にあまり貢献していないのは残念だった。とはいえ、広報的なインパクトは大きそうなデザインである。
写真:左列=ビナス幼稚園、小学校外観、右=上から、教室、図書室、食堂
2016/03/29(火)(五十嵐太郎)