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建築に関するレビュー/プレビュー

アール・デコの邸宅美術館 建築をみる2015 + ART DECO COLLECTORS

会期:2015/07/18~2015/09/23

東京都庭園美術館[東京都]

リニューアルした東京都庭園美術館「建築をみる2015 + ART DECO COLLECTORS」展へ。後者は松本ルキのカッサンドル、イセの家具、大村清一郎のラリックのコレクションを紹介する。今回は建物を見せるべく、館内を自由に撮影できる素晴らしい機会だった。お金をかけてちゃんとつくった建物は、時が経ってもよいことがわかる。

2015/08/18(火)(五十嵐太郎)

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村野藤吾の建築─模型が語る豊饒な世界

会期:2015/07/11~2015/09/13

目黒区美術館[東京都]

目黒区美術館のエントランスホールで待ち合わせをしようとしたらダメと言われた。つまり、館内に無料ゾーンがまったくない。ホームレス対策なのかもしれないが、暑いのに外で待てということか。さらにホールにある展示品がない空間を撮影したら強制消去させられた。ここは一応、税金を使う「公共」の美術館だと思うが、疑問を感じざるをえない。
気を取り直して「村野藤吾の建築」展を見る。いきなり不愉快な思いをしたせいで、同じ建築模型展だが、東京都現代美術館のニーマイヤー展の開放感との対比が余計強く印象に残った(これを企画した京都工繊に罪はないと思いますが)。ともあれ、村野のかたちのバリエーションの豊かなことに感心させられる。特に模型で見ると、上からのぞき込むため、塔屋の形態が面白いことに気づかされる。

2015/08/18(火)(五十嵐太郎)

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オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男

会期:2015/07/18~2015/10/12

東京都現代美術館 企画展示室地下2F[東京都]

一次資料はほぼなく、写真も挿絵的な扱いだったが、巨大模型建築展として割り切ったことで、建築を楽しく体感する展示となっていた。特に巨大な吹抜けいっぱいに広がるイビラプエラ公園のデカさ! 昨年、無印良品のブラジル展では机の形状だったものが、床全面に展開している。

2015/08/14(金)(五十嵐太郎)

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西沢立衛《軽井沢千住博美術館》

[長野県]

竣工:2011年

ローザンヌに行かなくては、という思いを改めて強くさせる、素晴らしい空間だった。順路もなく、迷宮のようだが、高低の差が無意識に館内の方向感覚を与えるのは興味深い。光庭から周囲の環境を取り込む手法は、ウィークエンドハウスから続く。ここで千住博以外の展示も見てみたい。

2015/08/12(水)(五十嵐太郎)

柳澤孝彦《富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館》

[群馬県]

竣工:1995年

柳澤孝彦の《富岡市立美術博物館》へ。展示は、武井武雄の絵本画と常設の福沢一郎である。年末にカーンの《キンベル美術館》を訪れたばかりなので、あまりにそっくりな外観と内部、細部に絶句した。リスペクトというのか?よくなった部分があれば、影響を受けたと言えるのだが。申しわけないが、これではばったもんに見える。

2015/08/12(水)(五十嵐太郎)