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建築に関するレビュー/プレビュー

水と土の芸術祭2015

会期:2015/07/18~2015/10/12

4つの潟及び市内全域[新潟県]

水と土の芸術祭、ドットアーキテクツの《潟の浮橋》へ。ゆらゆら体感する強烈な体験だった。SHELTER Project GOZU-NSの《TINY HOUSE》は、資源活用による、ジブリに出てくるような童話的な家である。
水と土の芸術祭は、まさに潟をめぐる旅だった。坂道はないが、駐車場から結構歩く。やはり、建築ディレクターとして曽我部昌史が入っているので、彼の人脈に連なる建築系の参加者が多い。各地の作品、サイトスペシフィックなテーマによく応え、周囲の建築見学もついでにできるのが魅了だ。

上=ドットアーキテクツ《潟の浮橋》、下=PROJECT GOZU-NS《TINY HOUSE》

2015/08/11(火)(五十嵐太郎)

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青木淳《水の駅 ビュー福島潟》《遊水館》

[新潟県]

竣工:1997年

久しぶりに青木淳による水の駅、《ビュー福島潟》と《遊水館》を訪問した。《ビュー福島潟》は、螺旋状の径路をたどりながら、周囲の潟を眺める明快なコンセプトだが、きわめて高度な造形の操作と複雑な空間が立ち上がり、なおかつかわいい。隠れポストモダンの傑作である。《遊水館》は、《ビュー福島潟》と同一の円形、構成、仕上げ、かわいさを共有しつつ、プールならではの楽しげな空間を実現した。青木は、センスと知的、両方の資質を備えた建築家である。

上=遊水館、中=潟博物館外観、下=潟博物館内観

2015/08/11(火)(五十嵐太郎)

水と土の芸術祭のベースキャンプ(旧二葉中学校)

[新潟県]

各教室で潟をテーマにした作品を設置する。建築系では、歴史家の倉方俊輔による仏壇リサーチと、アトリエ・ワンのドローイングなど。アートはイ・スギョンの陶片再構成の作品、そして特に新潟と東京の関係を考える吉原悠博の《培養都市》の映像が素晴らしい。
そして学校を出て、潟めぐりに繰り出す。上堰潟エリアでは、上に乗るとゆらゆら揺れる藤野高志のアーチと、水辺に入る体験が新鮮な驚きをもたらす、土屋公雄APTの《海抜ゼロ》。佐潟エリアでは、搭状の構築物になったアトリエ・ワンの観測舎。いずれも自然がつくり出した潟というランドスケープが圧倒的な存在感だ。鳥屋野潟エリアへ。金野千恵の《山から海へ旅するカフェ》は、師匠のホワイト・リムジン・屋台に比べると、プリミティブ・ハットに近い大胆で荒々しい構造物である。大矢りかの《田舟で漕ぎ出す。》は、ひとりで制作し、内側に小さな田を抱えた舟が潟を向く。

左上から倉方俊輔の展示、アトリエ・ワンのドローイング、藤野高志の作品、金野千恵の作品。右上から吉原悠博《栽培都市》、土屋公雄APT《海抜ゼロ》、アトリエ・ワンの観測舎、大矢りか《田舟で漕ぎ出す》

2015/08/10(月)(五十嵐太郎)

槇文彦《朱鷺メッセ》

[新潟県]

竣工:2002年12月

新潟市に入る。槇文彦の朱鷺メッセは、街で一番巨大で一番高い建築である。控えめな造形は彼らしいが、新国立競技場にまでこれを求めなくてもよいと思う。続いて、古い建築が残る西大畑のエリアを散策する。この辺りはリノベーションしたレストランなどもあり、とてもよい雰囲気だ。

上=朱鷺メッセ外観、下=西大畑エリア

2015/08/10(月)(五十嵐太郎)

伊東豊雄《ぎふメディアコスモス》

[岐阜県]

竣工:2015年

朝から賑わう理想的な使われ方だった。一階はガラス張りの閉架書庫を中心に据え、イベントやギャラリーなどのあるせんだいメディアテーク的な開かれた空間である。そして二階は、伊東の多摩美術大学や台北の大学図書館を展開させた、家具と絡みあう迷宮的な本の森になっている。編んだ集成材とやわらかいテキスタイルの天蓋が印象的なインテリアの空間は、さすがだ。

2015/08/08(土)(五十嵐太郎)