artscapeレビュー

建築に関するレビュー/プレビュー

設計のプロセス展/PLOT: process of design

会期:2013/11/23~2014/02/11

GA Gallery[東京都]

久しぶりにGAギャラリーを訪れ、「設計のプロセス」展を見る。藤村龍至が、あいちトリエンナーレ2013において展開したあいちプロジェクトの2系統の最終統合版が展示されていた。昔のGAギャラリーはオブジェみたいな模型と、外国人建築家のデータ打ち出しの展示だけで、会場に足を運ばなくても、それらを紹介するGAの雑誌を読めば済むと思うことがたまにあったが、今回はプロセスの情報量が多くてよい。ここも変わったのか。

2014/01/14(火)(五十嵐太郎)

「戦後日本住宅展」打合せ

埼玉県立近代美術館にて、1950年代から70年代にフォーカスをあてる戦後日本住宅展の模型制作に協力してもらう研究室と打ち合せを行なう。その後、展示予定の原図を幾つか拝見する。原広司の自邸のディテールを含む大量の図面、原寸でも読めないくらい文字が小さい増沢洵の図面、伊東豊雄の中野本町の家など、手描きの図面の美しさに、みな見入る。なお、7月にスタートし、四館を巡回する同展は、丹下健三から安藤忠雄まで、16の珠玉の住宅を取り上げ、それらの原図面、写真、映像、模型などを展示する。

2014/01/11(土)(五十嵐太郎)

野井成正 作品集出版記念作品展「あそびごころ」

会期:2014/01/08~2014/01/19

iTohen[大阪府]

大阪を拠点に、長年にわたり空間デザインの仕事を行なってきた野井成正。彼の作品集出版を記念した本展では、大量のドローイングを中心に彼の仕事の一端を垣間見ることができた。展覧会を見るまでは、設計のエッセンスを示したラフや抽象的なもの、あるいは図面が多いのではないかと予想していたが、実際には俯瞰のアングルでディテールまで具体的に描かれたスケッチが多く、素人でも完成形を容易に想像できる丁寧な仕事ばかりだった。それだけにどの作品も情報量が多く、観覧には思いのほか時間がかかったが、会場の小ささがよい方向に作用したのだろう。凝縮感のある個展に仕上がっていた。

2014/01/09(木)(小吹隆文)

せんだいスクール・オブ・デザイン 2013年度秋学期 PBLスタジオ1メディア軸♯4 小川直人「映画のなか/そとの仙台」

東北大学大学院工学研究科 せんだいスクール・オブ・デザイン[宮城県]

せんだいスクール・オブ・デザインのメディア軸で、せんだいメディアテークの小川直人のレクチャー「映画のなか/そとの仙台」を行なう。かつてのプログラムピクチャーは城趾、七夕、松島などの観光名所を好んだが、『ゴールデンスランバー』など伊坂幸太郎原作の映画はそれがなく、どこにもありうる地方都市をリアルに描く。とある事情で公開されなかった、仙台舞台の私小説の映画化『ア・ルース・ボーイ』(1997)を見たいと思う。

2014/01/07(火)(五十嵐太郎)

レ・アル再開発

[フランス・パリ]

レ・アルの再開発も進んでいた。市民にその内容を知らせるインフォメーション・センターも設置されている。新しい施設は、古い商品取引所とポンピドゥー・センターの軸を意識したデザインだ。拙著『美しい都市・醜い都市』でも触れたが、景観論者が大好きなパリは、オースマンのときに整備した19世紀の統一された街並みの部分だけに集中しているが、むしろ過去から未来をつなぐ都市像こそが本当にすごいと思う。

2014/01/03(金)(五十嵐太郎)