artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
生ける伝説 榎忠映像作品上映会

BLD GALLERY[東京都]
開催日:2009/3/22、3/29、4/5、4/12、4/19
美術家・榎忠にまつわる映像作品を見せる上映会。今回見たのは、半刈りでハンガリーへ行ったパフォーマンスを中心としたプログラム。音声が一切ない映像は、新婚旅行を記録したような、ほとんどプライヴェィト・フィルムに近いものだったが、それは榎の傑作の数々がそうであるように、この伝説的なパフォーマンスもまた、榎自身の暮らしと不可分であることの現われなのだろう。芸術と生活の有機的な統合を唱えるより前に、そもそも最初から両者を同一視していた榎こそ、アヴァンギャルドの名にふさわしいのではないか。
2009/04/12(日)(福住廉)
やなぎみわ マイ・グランドマザーズ

会期:2009/03/07~2009/05/10
東京都写真美術館[東京都]
やなぎみわの個展。《マイ・グランドマザーズ》シリーズのなかから新作を含めた、およそ30点を発表した。若い女性が思い描く50年後の自身の姿を視覚化した写真は、それぞれ個性的で、個別的に見れば、たしかにヴァリエイションに富むものだが、全体的に見れば、どれも想像力が類型化されており、だから写真を見ていくうちに次第に興味が失われていく。若い女性が思い描く「老い」の、なんと薄っぺらいことだろう。当然といえば当然だが、「老い」というどうしょうもない現実に直面していない者に「老い」を想像させることにどれだけの意味があるのか、いまいちわかりにくい。余計なおせっかいを承知でいえば、作家が被写体の安直な欲望を相対化する「他者」の働きを徹底することができていれば、あるいはもっと別の世界がありえたのではないだろうか。
2009/04/12(日)(福住廉)
ルーヴル美術館
今回最後のルーヴル。もういちどイタリア・ルネサンスから、17世紀オランダ・フランドル、19世紀フランスまで浴びるように見る。これで入場料1,200円ほど。ぼくは4日間有効のミュージアムパス(45ユーロ)で延べ9館にフリーパスで入ったから、1館あたり約650円。いま東京で2本の「ルーヴル美術館展」が開かれているが、どちらも1,500円する。パリに生まれたかった……。
ルーヴル美術館:http://www.louvre.fr/
2009/04/11(土)(村田真)
ポンピドゥー・センター
とくに見たいものがあったわけではないけど、とりあえず行ってみた。実際、とりあえず行ってみたというだけで、とくになにを見たというわけでもない。
ポンピドゥー・センター:http://www.centrepompidou.fr/
2009/04/11(土)(村田真)
クリニャンクール蚤の市
[パリ]
別に骨董趣味があるわけではないのだが、たまたま『芸術新潮』の特集「パリと骨董」を見たこともあって、興味本位で出かけてみた。駅から道沿いにアラブ・アフリカ系がディスカウント商品を売っていたが、これはどうでもいい便乗店。めざす骨董屋は地域の深奥部に軒を連ねていた。家具、食器、道具、額縁、古本……あるわあるわ。でも買いたくなるようなものはほとんどなかったなあ。100年くらい前の革装の古本を数冊買う。どうせ読めないので鑑賞用だ。
2009/04/11(土)(村田真)


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