artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
アートフェア東京

会期:2009/04/03~2009/04/05
東京国際フォーラム・展示ホール+東京ビルTOKIA・ガレリア[東京都]
茶室があったり古美術が目立つのは気のせいか。きっと現代美術系のギャラリーが隣のTOKIAビルにはみ出した分、展示ホールの古美術度が高まったのかもしれない。そのせいかどうか、なんか熱気が感じられないなあ。
アートフェア東京:http://www.artfairtokyo.com/
2009/04/02(木)(村田真)
栗原亜也子個展「フィクション/エラー」

会期:2009/03/27~2009/04/17
ギャラリーマキ[東京都]
昔、オリンパスペンSっていうハーフサイズのカメラがあった。1コマを縦に2分して2倍の量が撮れるという、いかにも日本人らしい発想のカメラだ。そのオリンパスペンで撮った1コマ2点の画像なのだが、巻き上げが足りなくてダブってしまったエラー写真や、隣り合う画像がたまたま連続したりした偶然写真を拡大して見せている。そんなもんで作品になるのかとも思うが、肩ひじ張らずにつくってるところがうらやましくもある。
2009/04/02(木)(村田真)
日野田崇 展─アレゴリーの暴発─

会期:2009/04/01~2009/04/25
INAXギャラリー2[東京都]
セラミック彫像の展覧会。マンガ的なモチーフが表面に描かれた彫像は、一見すると村上隆の亜流のように見えなくもないが、それ以上に曲線が歪み、彫像のフォルムも大胆にデフォルメされているので、キャラクターの立体化という浅薄なレベルを鮮やかに突き抜けている。
2009/04/02(木)(福住廉)
安斎重男作品展「Unforgettable Moments」

会期:2009/03/24~2009/04/25
ツァイト・フォト・サロン[東京都]
今年古希を迎えた安斎重男は、1960年代からアーティストたちの仕事の現場に寄り添いつつ、彼らのポートレートを撮影し続けてきた。その作家活動40年を記念して開催されたのが今回の展示。イサム・ノグチ、ヨーゼフ・ボイス、瀧口修造、大野一雄など、既に故人になったアーティストも含めて、錚々たる顔ぶれのポートレートが並ぶ。安斎の撮影手法はスナップショットに徹しているので、写真を見る者はアーティストたちがいる空間に直接招き入れられているような、とても親しみやすい雰囲気を感じるだろう。あまり自分の主観を押しつけることなく、あくまでも傍観者として撮影している点も気持ちがよい。
もう一つ、彼の写真の魅力を高めているのは、印画紙の画面の余白に書き込まれたキャプションだろう。アーティストの名前や、撮影年だけでなく、たとえば愛蔵の西洋人形を「いとおしむ様にポーズする瀧口修造。特別なストーリーがあるのだろうとそっとシャッターを切る」という具合に、さりげなく被写体とのかかわりやサイド・ストーリーを記しているのだ。内容もさることながら、手書きの字の配列が実に巧みで、画像と響き合っているのが目に快い。そのあたりにも、長年鍛え上げられた「藝」の力があらわれているといえるのではないだろうか。
2009/04/01(水)(飯沢耕太郎)
ウラサキミキオ展

会期:2009/03/30~2009/04/04
ギャラリイK[東京都]
平面作家ウラサキミキオの新作展。作家が暮らす住宅の居間から見た光景を描いている。室内に置かれたピアノやベランダの植木、その向こうに見えるマンションの裏側など、その日常性がこの上なく中庸だが、その一方で画面には切り貼りされた紙が無作為に貼られているため、視覚的なノイズが発生するように仕掛けられている。ある種のレイヤーを重ねることによって日常という凡庸な空間を見つめようとする作家の視線が表わされているようだった。
2009/03/31(火)(福住廉)


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