artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
ケ・ブランリー美術館

ここは3年前にオープンした民族学博物館。ジャン・ヌーヴェル設計の高床式のカラフルな建築は、エッフェル塔の隣、セーヌ川沿いの広大な敷地に建っている。ここって昔なにがあったんだっけ。とにかくパリのど真ん中によくこれだけの土地を確保できたもんだ。エントランスから空中回廊を歩いて展示場に入る。室内は暗いうえ水平・垂直面が少なく、道があっちこっち枝分かれして順路もない。洞窟のイメージでつくられているのだ。展示はアジア、アフリカ、オセアニア、アメリカの4部門。ヨーロッパ以外は未開の洞窟文化ってわけかい。
ケ・ブランリー美術館:http://www.quaibranly.fr/
2009/04/10(金)(村田真)
プティ・パレ美術館
隣のグラン・パレではウォーホル展、こちらプティ・パレではウィリアム・ブレイク展。どっちに入ろうか迷ったが、地味なほうに。ブレイクは退屈さも地味だったが、ウォーホルの退屈さはきっとハデだったに違いない。
プティ・パレ美術館:http://www.paris.fr/portail/Culture/Portal.lut?page_id=6228
2009/04/10(金)(村田真)
オランジュリー美術館
チュイルリー公園のオランジュリー美術館の横に、リチャード・セラとおぼしき湾曲した2枚の巨大な鉄板が向い合せに立っていた。なんでこんなところに?と思いつつオランジュリーに入り、ふたつの大きな楕円形の部屋に展示されたモネの連作壁画《睡蓮》を堪能。その後もういちどセラの彫刻と対面したとき、なぜそこに置かれてあるか合点がいった。この彫刻、モネの壁画と呼応しているのだ。鉄板とキャンヴァスという素材の違いはあるけれど、どちらも巨大な湾曲した平面である点が同じ。しかし一方は美術館に恒久設置され、他方は屋外に野ざらしという待遇の差もある。しかも、これによく似たセラの彫刻《傾いた弧》がニューヨークの広場に恒久設置されたのに、住人の反対にあって撤去を余儀なくされたという経緯もある。そんな対比を浮き上がらせる展示なのだ。
オランジュリー美術館:http://www.musee-orangerie.fr/
2009/04/10(金)(村田真)
ギュスターヴ・モロー美術館
墓場から歩いて15分ほどでモロー美術館に到着。ここはドラクロワ美術館と同様、モローの自宅とアトリエを美術館として公開したもので、ロンドンのサー・ジョン・ソーン美術館と並ぶマイ・フェイバリット・ミュージアムのひとつ。まず作品が充実している。だいたい画家のアトリエを開放した美術館にはロクな作品がないが、ここは例外的に代表作のほとんどがそろっているのだ。その展示も、壁を埋めつくすようにびっしりと絵がかけられていて壮観。さらに素描や水彩画は、自分でキャビネットから引き出して閲覧できるようになっている。ここは昼休みがあるので出ないといけないが、できれば1日中浸っていたい美術館だ。
ギュスターヴ・モロー美術館:http://www.musee-moreau.fr/
2009/04/10(金)(村田真)
ルーヴル美術館
ハッと目が覚めたらルーヴル美術館だった……らいいのだが、んなわけもなく、忙しいなかやりくりして昨晩パリに到着したのだ。某出版社の仕事で、パリにあるモロー、ドラクロワ、ルーベンスの作品を見倒すのが目的(とはいえ自費)。モンマルトルの安宿を出て、まずルーヴルの地下街に直行し、パリの主要な美術館がフリーパスになる「ミュージアムパス」を購入。その説明書の日本語の解説を読むと、「ご入館なされればなされるほど、ご節約することができるのです。ですから早急にご購入なされ、最も素晴らしい世界遺産のひとつをご発見して下さい!」とある。まあ意味は通じるけどね。ルーヴルでは真っ先にドラクロワの巨大作品が並ぶロマン主義の部屋へ。隣の部屋(《モナ・リザ》の裏側)ではなんと、ヤン・ペイミンによる「モナリザへのオマージュ」みたいな絵がデカデカと飾ってあるではないか。クラシックな美術館に現代美術を投げ込む試みはしばしば見かけるので驚かないが、それが中国人画家であることに驚いた。しかしそのモノクローム絵画は「薄い」という印象で、あまり成功しているとは思えない。カフェでサラダ食って、北欧絵画の展示室をひとまわりし、ルーベンスの大連作《マリー・ド・メディシスの生涯》にあらためて感嘆。
ルーヴル美術館:http://www.louvre.fr/
2009/04/09(木)(村田真)


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