artscapeレビュー

美術に関するレビュー/プレビュー

オルセー美術館

[パリ]

木曜はオルセーの夜間開館日なので最後に訪れる。ここではドラクロワとモローを見る。ドラクロワは小品ばかりだが、小品のほうが色彩や筆触などの特徴がよくわかる。モローは初期の大作《イアソンとメディア》があった。そうか、「イアソン」は英語で「ジェイソン」なんだと初めて気づく。
オルセー美術館:http://www.musee-orsay.fr/

2009/04/09(木)(村田真)

サン・シュルピス教会

[パリ]

ドラクロワといえばやはりサン・シュルピス教会にも寄らねば。ここは『ダ・ヴィンチ・コード』のおかげですっかり人気スポットになってしまったが、めざすは入ってすぐ右側のドラクロワによる壁画。といっても壁に直接描いたフレスコ画ではなく、キャンヴァスに油彩で描いて貼ったものだ。なんか名誉のために描かせていただきましたって感じで、作品的にはどうってことない。
サン・シュルピス教会:http://www.paroisse-saint-sulpice-paris.org/

2009/04/09(木)(村田真)

ドラクロワ美術館

[パリ]

セーヌ川を渡ってサンジェルマンへ。ここはドラクロワの自宅とアトリエを改装した美術館で、見るべき作品はほとんどないけど、こんな環境でロマン主義絵画が生み出されていたんだということがよくわかる。中庭はパリのど真ん中のオアシスって感じ。
ドラクロワ美術館:http://www.musee-delacroix.fr/

2009/04/09(木)(村田真)

吉田重信「ヒカリノミチ」

会期:2009/04/07~2009/04/19

立体ギャラリー射手座[京都府]

揺らめく極彩色と画面中央部を踊るように動き回る光が印象的な吉田重信の映像作品。幽玄かつ神秘的で、ある種のトリップ感さえ体感させるその世界に、時間を忘れて見入ってしまった。てっきりコンピューターで加工した映像だと思ったが、実はビデオカメラのレンズの前にプリズムを設置して、分光された光を撮っているのだとか。本作は海面を反射する太陽光を撮ったもので、一切加工はされていない。シンプルだけど素晴らしいアイデアだ。

2009/04/07(火)(小吹隆文)

カズ・スズキ展

会期:2009/04/04~2009/04/18

ギャラリーギャラリー[京都府]

天井から吊るされた糸の塊のような造形が特徴のカズ・スズキの作品。毛糸玉や糸の塊を芯に縫い付けているのだろうと思ったら、すべて機織りだと知り、驚かされた。緯糸を左右に通すのではなく、一方向に通した後、布の外側をぐるっと回ってもう一度同じ方向から緯糸を通すことで、このような造形が生まれるのだとか。ビビッドな色使いとオリジナルな造形を前に「こんな手もあったのか!」と感心することしきり。染織以外の立体作家にとっても、参考になるのでは。

2009/04/07(火)(小吹隆文)