artscapeレビュー

美術に関するレビュー/プレビュー

畑正憲 展──ムツゴロウ世界をまわる──

会期:2009/03/16~2009/03/28

ギャラリーGK[東京都]

ムツゴロウこと、畑正憲の個展。いわずもがな動物の絵だが、数々の動物を熟知したムツゴロウならではの描写かと思いきや、意外と凡庸な絵であることにびっくりした。

2009/03/17(火)(福住廉)

李演 LI YAN “Snippet”

会期:2009/02/21~2009/03/21

山本現代[東京都]

常日頃、マスメディアの報道写真で見かけているような戦争のイメージを粗いタッチで描いた油彩画。一点一点のサイズが小さいため、まるでスナップ写真を眺めているかのようだが、精緻な写真とは対照的に、細部をはっきり認識できないからこそ、逆説的に想像力が大いに刺激される。とくに、顔がただれたように見える戦傷者のイメージは、油彩のタッチが効果的だったように思う。

2009/03/17(火)(福住廉)

平町公「大谷の図」

会期:2009/03/15~2009/03/30

上野の森美術館ギャラリー[東京都]

巨大な布地に今回は、大谷石の採石場跡をパノラミックに描き出している。そのチャレンジ精神と描写パワーは衰えていないようだが、なんとなくリアリズムの傾向が強まった気がする(幻想性が弱まったともいえる)。モチーフとなった大谷がもともと非現実的な光景だからかもしれないが。

2009/03/14(土)(村田真)

VOCA展2009

会期:2009/03/15~2009/03/30

上野の森美術館[東京都]

VOCA賞の三瀬夏之介をはじめ、各賞受賞者はまあ順当なセンだろう。とくに「明るく華やかな色と、滑らかで力強い筆の躍り」(選者の名古屋覚)の今津景と、「『いま、ここで描く』という原初的な描写の欲望に忠実な」(選者の福住廉)淺井裕介が強く印象に残る。受賞者以外では、家庭を平面図のような視角で描く麻生知子、絵具こってり系の池谷保と佐藤修康、「こうきたか」と思わずうなった小金沢健人と名和晃平あたりに注目。

2009/03/14(土)(村田真)

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UNLIMITED

会期:2009/03/01~2009/03/15

アプリュス[東京都]

たぶん初めて降りる南千住駅から歩いて10分、アプリュス(A+)は都内では稀に見る広大なアーティスト・イニシアティヴのビューイングルーム。そこに、淺井裕介、泉太郎、遠藤一郎、村田峰紀、柳原絵夢ら注目の若手11人が競演・共演・狂宴している。実際、作品同士が侵食し、重なり、食い合い、どこからがだれの作品なのかわからなくなってる部分もある。お行儀のいい国立新美術館の「アーティスト・ファイル」より、よっぽどヴィヴィッドだ。ヴィヴィッとくる。ヴィヴィッとね。しつこいか。

2009/03/14(土)(村田真)