artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
プレビュー:ART OSAKA 2013
会期:2013/07/20~2013/07/21
ホテルグランヴィア大阪 26階[大阪府]
毎年開催されている日本最大のホテル型アートフェアの第11回目。ホテルのワンフロア全体を使って、実力派から若手まで現代美術を扱うギャラリー約50軒が、作品、展示ともに質にこだわり、作家の紹介をする。客室という展示空間で、作家やギャラリストと直接会話をしながらアートに触れるこの機会は、美術館やギャラリーで作品鑑賞するのとも異なる雰囲気や楽しさが味わえる。参加ギャラリーをつぶさに見てまわるためには時間と体力も必要だが、会場には手に取りやすい価格の作品も多い。もしもお気に入りが見つかったり購入したならば、作品や作家がより身近に感じられるようになるのもこの「ART OSAKA」の醍醐味。まだ訪れたことがない人にも足を運んでみてほしい機会だ。
2013/07/15(月)(酒井千穂)
プレビュー:サイト──場所の記憶、場所の力
会期:2013/07/20~2013/10/14
広島市現代美術館[広島県]
──広島、そして世界の様々な場所(サイト)の記憶を表現する。
広島中心部に架かる平和大橋をデザインしたことで知られるイサム・ノグチ(1904-1988)の作品には、平和記念資料館を設計した丹下健三の依頼により手がけられたものの、実現を見ずに終わったという原爆死没者慰霊碑案もある。今展ではこのように、場所(=サイト)の記憶に触発された美術表現に目を向け、場所の携える物語を可視化する作品を紹介する。映像、写真、インスタレーションなど多様な手法で新たな造形へと挑戦する美術──モニュメントとは異なる作品のありかた──の可能性を探求していく。出品作家は、フランシス・アリス、川俣正、木村友紀、桑久保徹、トニコ・レモス・アウアド、ゴードン・マッタ=クラーク、イサム・ノグチ、マイケル・ラコウィッツ、田口行弘、照屋勇賢、西京人(チェン・シャオション+ギムホンソック+小沢剛)。トークイベントやワークショップなどの関連プログラムも、どれも興味深いのでぜひ行きたい。
2013/07/15(月)(酒井千穂)
プレビュー:夏のワークショップ・プロジェクト2013「なつのかくれが」
会期:2013/07/20~2013/09/16
広島市現代美術館[広島県]
夏休みの期間中、子どもやその家族をおもな対象に開催される広島市現代美術館のワークショップ型展覧会。常時参加・体験できる作品・インスタレーションの展示と、アーティストによるワークショップが行なわれる。今回は、土や布、ビニールやダンボールなどの身近な素材を使い、観客が介在することによって成立する立体作品を数多く発表している東明が「かくれが」をテーマにした作品を会場で展開。空気を送るとドーム型に大きく膨らむ布の作品や、座ると顔がかくれる不思議な形をしたベンチなどが展示される。美術館にさまざまな「かくれが」が出現する、なんて大人でも食指が動くテーマで楽しそうだ。7月21日(日)、8月17日(土)には空中に投げると円錐型に広がるパラシュートや、ピョンピョンはねる不思議な動物型のパラシュートをつくる「スペシャルワークショップ」も開催される。
2013/07/15(月)(酒井千穂)
プレビュー:堂島リバービエンナーレ2013──Little Water
会期:2013/07/20~2013/08/18
堂島リバーフォーラム[大阪府]
2009年、2011年に続き、3度目となる「堂島リバービエンナーレ2013」が7月20日(土)~8月18日(日)、中之島の対岸にある堂島リバーフォーラムにて開催される。第1回目はアート・ディレクターに森美術館館長の南條史生氏、第2回目は、青森県立美術館チーフ・キュレーターの飯田高誉氏をアーティスティック・ディレクターに迎え開催された。今回は台湾出身のキュレーター、ルディ・ツェン(Rudy Tseng)氏がアーティスティック・ディレクターを務め「Little Water」をコンセプトに、人々の暮らしはもとより、アジアの文明と文化を豊かに育んできた「水の意味」を再考し、農業や文学、エコロジー、人間の感性など多様な水の役割を探究していく。参加アーティストは日本をはじめ、アジア諸国、欧米から28作家。さまざまな表現ジャンルとアーティスト達の感性を楽しみたい注目の展覧会。
2013/07/15(月)(酒井千穂)
プレビュー:安野光雅 展「あんのさんのしごと」
会期:2013/07/13~2013/09/01
佐川美術館[滋賀県]
1968年に福音館書店より刊行された『ふしぎなえ』で絵本作家としてデビュー、その後も独創的な絵本を数々発表。装丁家や画家としても精力的に活動し、精緻な描写と柔らかな色彩、遊び心あふれる作品で子どもから大人まで、広く親しまれている安野光雅(1926-)。今展は絵本や装丁、画家としての仕事を、津和野町立案の光雅美術館が所蔵する120点で紹介する。8月3日、8月4日には子ども向けのワークショッププログラムも開催される。
2013/07/15(月)(酒井千穂)